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マグロブツカツ

夕暮れの錦糸町に買い物に行った。車を近くに停めドレミがさっと往復して必要なものだけを買う。車に戻ると手を消毒する。ボクたちはたくさんの子どもを預かっていてどうしても感染できない。ここ一年続けている買い物の作戦である。

ところがこの日はドレミが途中でいったん戻って来た。肩で息をしながら「シュウの好きな魚寅のマグロブツ売り場に列がなかったの」と言う。戦利品のお徳用マグロブツの袋を車に置いて本来の買い物にまた走って行った。

天才クッカーの腕がザワザワと鳴った。クッカーとは造語で、なぜコックではないのかと言えば,味音痴の妻以外には食べる人間がいないからだ。天才と断定するにはいささか客観的評価に欠けている。

マグロカツは油の温度とタイミングが勝負である。20秒、21、22…今だ!!鮮やかに決まった。断面をご覧あれ。

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