しらべ荘を建てた頃,ボクたちが登山もスキーもテニスも園芸もしないと聞くと,たいていの人はのけぞるほど驚いた。
「じゃあ,八ケ岳なんかで何するんだ?」
何するんだって暮らすのである。ドレミがJAのスーパーで買い物してる間,駐車場でぼぉっと山を眺めるのである。農家から分けてもらったはねだし茄子でマーボーを作るのである。昼間のうちに薪を割ってストーブのすすを払い,雪の朝は凍らぬうちに雪かきするのである。
そんな生活を目指すボクだから,カヌーも渓流釣りも乗馬も(たぶん)しないばぶるさん夫妻が道東に移住した気持ちがよくわかる。田舎暮らしの先輩に敬意を表し,ボクは出かける前,「プチ北海道生活体験希望」とメールしておいた。ワンコの散歩道や行きつけのスーパーや二人だけの秘密の風景スポットなどをまったりと回る休日をイメージしていたのだ。
ところがバーベキューを囲む宴たけなわの頃,ばぶるさんは言った。
「shuさん,明日は藻琴山に登りましょう。」
「へ?!」
遠来の客を迎える立場で考えればムリもない。まさかワンコと散歩してスーパーで買い物しましょうとは言えまい。
それにしても何とも過激スペシャルな歓迎メニューである。
かくして一行4人と2匹は早起きしてばぶるさんの車に乗り,小清水高原に向かった。
←小清水高原(ばぶるさん撮影)
←いざ,山登り(ばぶるさん撮影)
←登山口