Apr.6th, 2019
15.ベーカー街と2階建てバス
格安ホテルの朝食はまるで学食。
コーヒーはインスタントだがベイクドビーンズやソーセージは美味しい。
さてロンドンへは車への課金ゾーンのぎりぎり外にあるショッピングモールの駐車場を利用し,中心街へは地下鉄でアクセスする作戦である。
予め調べて会員にもなっておいた駐車場。あわよくばここでお土産もゲットしようと思ったが,目の玉が飛び出しそうな値段のブランドショップばかりだったので有料駐車場だけ利用させてもらう。
中心街から5.5km,シェパーズブッシュ駅
…羊飼いの森。こんなところもかつては牧場だったのだろうか。
作戦は順調。地下鉄が来た。
これがスイカやイコカと同じデポジットカードだ。なぜに名前がオイスターカード(;^_^A
すいっと行こうか…みたいなほどの意味すらない模様。
オイスターカードにチャージした料金にはエリアによって1日の使用限度額があるため,実質7ポンドで乗り放題の一日乗車券になる。
ロンドンの地下鉄はチューブと呼ばれるだけあって,列車はもちろん…
トンネルも地下通路もなんだかチューブである。
未来少年コナンのインダストリアにあるような地下通路の集まった広場。
地上に出て少し歩けばズバリ最初の目的地。
「あのね,ドレミちゃん,ちょっと待って。」
え?どうしたの,お義母さん。
「お財布盗られたみたい…」
はあっ??
えー!!!!???マジっすかー!!
義母のセキュリティの甘さには,羽田にいるときからもう毎日ドレミが口を酸っぱくして注意していた。これまでは田舎ばかりだった。シェパーズブッシュ駅からここまでの15分は初めての都会と言っていい。ドレミが立て替えるからいいと言うのを,自分のオイスターカード代を払った財布をそのまま半開きにしたショルダーバッグに入れて肩からぶらぶらかけて歩いていたらしい。盗んでくださいと言わんばかりである。ドレミは地下鉄の路線図を見るのに忙しく,ボクはチューブの写真に夢中だった。
はぁー。石段にへたり込むボク。
パスポートが無事だったのは不幸中の幸いである。ポンドと円と合わせて6万円ほどの現金は戻るまい。あきらめるとして問題はJCBのクレジットカードだ。
ボクのタブレットで欧州の緊急連絡先を調べ,館内の入ってからドレミのiPhoneで電話した。JCBの対応は素晴らしかった。カードは無効化してもらって不正使用の心配はなくなった。
お通夜のような雰囲気をなんとか切り替えて行かねばならない。ダメージの大きいボクたちを撮っている義母の方が意外に明るい。ここでボクがカメラを一度預かって設定を直したのでロンドンの写真はよく撮れている。
美しいバーニーの浮彫
楔形文字…ここには一度は見たいと思うような世界の宝ものがところせましと展示されている。
だが,モアイ像はイースター島に,そして
ロゼッタストーンやラムセス二世はエジプトにあるのが自然だと感じだ。
ロンドンにあるべきではない。
とうてい短時間で全て見て回るのは不可能だ。このへんで切り上げよう。
さあ,今度はドレミが楽しみにしていた二階建てバス。
あっさり乗れた。
オイスターカードが使えるのだ。
さあ,お二階へご案内♪
わーい♪
ドレミよりはしゃいでいたのはこの男(笑)
右傾化が懸念されるポーランド大使館にEU旗
…この時期,ビミョウすぎる風景ではある。
お♪マダムなんとかの蝋人形館。
うっひゃー,あんなに人が並んでる。
名所を車窓から眺められる二階建て路線バス。
あれは大火記念塔かな。
便利便利♪オイスターカードで実質乗り放題。結局途中では一度も地下鉄を使わず,ほんの1,2ブロックでもバスに乗った。もう二階建てバス通である。
おっともう次のバス停だ。降りないと。押しボタンピンポ~ン♪
降り立ったのはここ。
ん?おまわりさんはフツーだ。
ホームズグリルはつぶれてる。
クリーニング屋さんもホームズ
ベーカー街221B…
名探偵ホームズが下宿していた住所である。もっともホームズが住んでいたはずの1903年までには実在しなかった。町の合併でできた住所に今は訝しげな博物館があってこの行列。
ボクたちは隣りのお土産屋さんだけ行って,望遠レンズでスコットランドヤードのおまわりさんとちゃっかりツーショット♪
右 バッキンガム宮殿
週末のこととて女王陛下はお気に入りのウィンザー城でお過ごしのご様子。
宮殿には衛兵も見当たらない。
一方,我が家の女王陛下は街歩きを満喫していらっしゃる。
インド,パキスタン,スリランカ,バングラディシュ…大英帝国として支配した国々の名を刻んだ石のモニュメントが堂々と立っている。先住民を滅ぼしたり植民地化したりした侵略の歴史はこの国にとって未だ恥ずべき負の遺産とはなってないないのだろうか。
ボクには不思議でならないのだ。
ローラアシュレイで羊の靴下を10足,ハンドクリームを5つ買った。昨年,日本を撤退したが代理店を変えて再び店舗展開するそうだ。
カフェと言うのは時間の無駄だとずっと思っていた。出かけた先でコーヒーを飲んでる暇があったら1箇所でも2箇所でも未知の地を訪ねられる。…そういう年代は過ぎた。素直にドレミに従い,ひきずる足でカフェの心地よいテーブルに着いた。
陽気なウエイトレスは日本語の挨拶もソツなくこなす。
ご機嫌(;^_^A
「シュウ,腰を休められたから,さっきの桜並木の写真撮って来れば?」
そう言われて勇躍歩き出すボク。
手ごろなショッピングモールを発見した女子組が心置きなく買い物するために体よく厄介払いされたに過ぎない。
待ち合わせ場所。
「ねえねえ,どうだった?いい写真撮れた?」
と聞くドレミの肩にずっしりと買い物の入った袋。
まあな。
気を遣わせぬよう楽しかったをアピールしておく。ニューヨークでもバルセロナでも新宿でも…ボクの数えきれない駄作街撮り写真はこうして生まれる。
ビクトリア駅
ウエストミンスター大聖堂はちょうど日曜の礼拝が撥ねる時間。神父たちが信者を見送るために並んでいる。
楽しげに普通の観光客をする母子。
ウエストミンスター寺院
最後の目的地はテムズ川の上。
ここ
ろーんどぶりっじぃず ぶろーくんだん♪
ぶろーくんだん♪ぶろーくんだん♪
ロンドン橋落ちる落ちる落ちる…
ロンドンブリッジからタワーブリッジを臨む。
バンク夜景/City of London
日が暮れるまでロンドンブリッジで過ごし,中心街のバンク駅まで歩いた。
ここでロンドン観光は終了。ま,あんまり行きたいところがないのでこんなもんだろう。
日曜の夜,地下鉄はがらがら。
ショッピングの収穫をひとつひとつ見せびらかす。自分のものはひとつもない。高価なものもひとつもないがみんな誰かへの心をこめたお土産だ。
ショッピングモールの駐車場に戻って来た。よく一日腰が持ったものだ。義母もよくがんばった。
さてもさてもビールをぐぐぐと飲りたい。そのためにはレストランに車では行けない。
…あそこしかない。
前夜行ったインド料理屋の近くに二人を下ろし,先に店に行って注文しておいてもらう。ボクはホテルに車を置いて店まで歩いた。二手に分かれる作戦も成功した。
イギリスのラストナイト。
さあ,乾杯しよう。