二週間も住んでいた病院。手術直後にはスタスタ歩いていたのに,今は痺れがひどくて待合室のソファに座っているのも辛い。
先生!お忙しいのに時間を空けてくださってありがとうございます。お手数かけてすみません。実は…
「あー!!どうしたーんだ。聞いて驚いたよ。まあ,座れ!何やったんだ。リハビリやり過ぎたんだろ?」
いえ,リハビリしてません。
「ほんとうか…。ど,どこが痛い。」
どうも学部長はボクを誤解しているところがある(;^_^A レントゲンを見て,ボルトの緩みも金属の歪みもないことを確認,ここで初めて状況を把握されたようだ。寝台に寝かされて足や指を動かし痺れや痛みの場所を確認する。そして一つのモニターにCTの画像,他方にMRI,後ろのライティングボードに預けてあった手術前のMRI画像を準備した。
「さあ,痛みの犯人を探すぞ。」
…なぜだろう。ボクはこの先生にとても可愛がられている。この先生が言うのだからボクの腰は完治している。あとは神経だけだ。
帰って首を長くしていたなおみに報告した。何しろ当分「立たない。歩かない。」というのはすべてなおみの負担になるということだ。だが,なおみの関心は全くそこではない。
「あー,よかった。教授がおっしゃったなら安心!大丈夫ね。」
たとえ今は立てないほど痛くてもボクは必ず治る。あの学部長のウデが確かなことを証明し,またなおみと仕事や家事を分担するために。母や心配してくれる人たちをほっとさせるために。
「むふむふ」
あ(;^_^Aわかってるわかってる。タローのためにもね。
今週もなおみが一人でタローのシャンプーをした。シャンプーを終わるとなぜか興奮して,PCに向かっているウデを跳ね上げてお菓子をせがむ。