タビテツ ドット…列車に乗るのは苦手です。目次に戻る

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 ボクはそれほど体が丈夫な方ではないのですが,高校2年生の時にはもう身長が183cmを超え,傍目にはどう見ても屈強の若者でした。ですから電車の座席にほとんど座ったことがない…もちろんガラガラなら座りましたが,東京の通勤通学時間に席が空いていることは珍しく,目の前の席が空いてもいい若いモンが座るわけにはいきません。それはまあいいのです。健康な高校生の体力にとって,立っているというのは重大事ではありません。問題は視界なのです。183cmで当時の日本の電車やバスに立っているときの視点を想像されたことはないでしょう。窓の外は地面しか見えません。線路や道路が猛スピードで流れていきます。10秒も見ていたら酔います。古いバスなど,髪の毛が天井にすります。目の前は金属のバーです。満員電車では「背の高い人はいいね!」なんて言われますが冗談ではありません。ブレーキがかかって揺れると,みんな体を重力方向に委ねます。天井に届く人だけが「つい」はっしと手をつき支えてしまいます。「ひょえー!!」30人くらいの人がドミノのように寄り掛かってきます。

こうしてボクはすっかり電車やバスが苦手になり,長じてからも,ポンコツのクーペを中古で手に入れ,どこに行くにも車で出掛けました。旅ももちろん車です。宗谷岬にも枕崎にも車で行きます。新幹線なんて中学か高校の修学旅行のときに乗った0系しか知りません。海外でもレンタカーを借りて旅しています。そもそも切符の買い方や列車の選び方がよくわかりません。

鉄道に乗らないくせに写真を撮るなんて,明らかに邪道,鉄道ファンの風上にも置けません。でも,汽車やローカル線はとても魅力的な被写体です。

最近のマイブームは,偶然出会ったローカル線を撮影すること…。いわゆる撮り鉄と呼ばれる人たちと決定的に違うのは,車輌そのものにほとんど興味がないところです。駅に行って時刻表を確かめ,辺りをロケハンしてポイントを決めます。通過時間が近づくと根拠の希薄な緊迫感は高まってきます。待つほどに,想像を遥かに凌駕して,めまいがするほどつまらない外観の電車が10秒弱で通り過ぎていきます。出来上がる写真は,ただ電車が走っているだけというどうにもならない代物なのですが,それはそれとしてやっぱり楽しいのです。

もっとも妻はこの倒錯した趣味の世界に理解は示すものの,さりとて興味はもちろんありません。たいてい犬と一緒に辺りを散歩したり,椅子を持ち出して読書したりして過ごしています。

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シュウProfile

シュウ(1960年東京生まれ)

ドレミ(生年不詳・東京生まれ)
タロー(2006年・千葉生まれ)