OUR DAYS2006年2006.8.14

中国に旅行する間、ペットホテルにタローを預けました。しばしお別れでうろたえるのは飼い主ばかり、タローはホテルのお姉さんの脇にお座りして「ばいばーい」と、平気な風情です。こなた翌日にはもう空港からホテルに電話を入れて様子など聞きながら、思わず「すみません。電話口に連れてきて、ひと声だけでも声を聞かせてくれませんか」と口走りそうになるありさまでした。

帰国した翌日、

「お友だちがたくさんいて楽しいペットホテルから帰りたくないなんていうんじゃないかなぁ」

などと話しながら迎えに行くと、元気に飛び出してきたものの何だかやつれてボロボロ、犬相?も変わってしまってタローではないようです。ホテルの人の話では、ストレスで4日目の朝から下痢がとまらなかったとのこと。家に帰って体重を量ると2kgもやせてあばらが飛び出ていました。毛には汚物がこびりついています。ホテルの人も一生懸命やってくれたのでしょうが、ケージでも激しい下痢が続いた1らしいので仕方ありません。眼もおどおどと光を失い不信に満ちていました。

やはり5ヶ月ちょっとの子犬には長期のホテル生活は無理だったようです。言葉が通じないタローにとって、ホテル生活はずっと続くように思えたのかもしれません。帰宅して2晩、夜通しふらふらとトイレに立っては血便をポタポタと繰り返していました。自分の体調が悪いということも理解できないようで、ボクやなおみがちょっと部屋を移動するだけでも、また置いて行かれるのではないかと思うらしく、よろよろと立ち上がり不安な目をしてついて回ります。ボールを見つけるとくわえてきて「遊んで」とせがみますが足に力が入らないので、そのままずるずるとへたりこんでしまいます。

病院で診察してもらいましたが、病気や菌などの異常はなし。

「ストレスからくる胃潰瘍のようなものですからご心配なく。」

と、ドクター。そんなところまで飼い主に似るなよぉ。

「あの、あしたちょっとドライブに連れて行く予定だったのですが…。」

なおみがおずおずと聞きましたが、もちろん

「とんでもないです。」

と、ドクターに叱られてしまったので、予定していた「川デビュー」は延期になりました。残った休みはタローと家で過ごします。病院でもらった薬がきいてようやく下痢はとまりましたが、体と心の回復にはまだ時間がかかるようです。今も足元にぴったりとくっついて寝ていますが、ちょっと水を飲みに行くだけでもがばりと起きてついてくることでしょう。かわいそうなことをしちゃった。ことばの代わりに「たとえ何日たってもボクたちは必ず迎えにくる」と思えるだけの信頼関係ができるまで、タローを置いて旅行に出るのは無理ですね。

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