OUR DAYS2008年2008/4/17

昨日、朝の散歩のとき、タローの右耳の後ろに血が黒々と固まっているのをなおみが見つけた。毛をかき分けてみると、傷も大きい。

八ヶ岳から帰って以来、その部分を後ろ足で盛んに掻くのが気になってはいた。フロントライン(ダニを駆除する薬)をしてから送り出したのだが、川に入ったり、どろんこを洗ってもらったりするうちに薬が落ちてしまったのだろう。今週の初めにシャンプーして再度フロントラインを使った。そのときは気づかなかったが、おそらく、すでに掻きすぎて傷にしてしまっていたに違いない。珍しく、痛がってボクたちが触れるのもいやがる。ぐじゃぐじゃになった傷口にはダニの死骸も混じっているかもしれない。

「こりゃ、お医者さん行った方がいいな。」

びょーいんだー!!!

待合室のタローはうきうき、そわそわ。小さい頃、慣れないボクたちが、ちょっとでも様子がおかしいとやたらに連れていったものだから、タローは病院が大好きになっている。ドクターも看護婦さんも大好きなのだ。

「タローくーん」

呼ばれて、診察台に乗ると、何と体重35.7kg。

「1年で6kgも太りましたねぇ。」

なおみの顔色が変わる。食事や運動を完全管理してるはずの彼女にとって、タローの太りすぎは耐え難い屈辱なのだ。ごはんは今夜からグラム単位で減らされるに違いない。

(やば!深夜にこっそりベビーチーズをタローとボクとではんぶんこしてたのがまずかったか。)

傷の診察のため、タローは例によってドクターといっしょにスキップするように処置室に入っていった。待合室で待っていると、奥からさまざまなワンちゃんの鳴き声が聞こえてくる。

「今のタローの悲鳴じゃない?」

「うーん。さすがに痛いのかなぁ。」

二人のバカ親はじっと耳を澄まして愛犬の声を聞き分けようとする。と、いきなり背後の診察室からタローとドクターが現れた。息が荒い。

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はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!

電動バリカンの音に驚いたのか、傷の治療がよっぽど痛かったのか、恥ずかしいほどうろたえて、ボクたちにむしゃぶりついてきた。これで病院嫌いになるかも。消毒薬と傷薬、それに化膿止めの飲み薬を処方された。

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