穏やかだった前日から一転,都立高校入試日は冷たい雨の降る寒い一日になった。しかもJR中央線の架線トラブルで,試験は2時間遅れ。
夕方,ボクたちの待つ教室には唇を紫色にして,疲労困憊した受験生たちが次々と帰ってきた。ボクたちとみんなの顔を見て,ようやく笑顔がこぼれる。
「シュウ先生!ホントにズバ適だったよ。」
話題は前日にボクとなおみがヤマをかけさせた理社の出題予想がことごとく当たっていたという話。実は出題サイクルが単純で,ちょっと慣れた先生なら誰でも予想できることなのだが,子どもたちには魔法に思える。当たっていれば試験中にホッとしてリラックスできる効果を狙っている。
全員がボクの予想点を10点以上オーバーした。大健闘である。ボクたちとしては満足だが,それでも目標点には足りない子が2,3人。発表の日までドキドキが続く。