よくもまあ,降り続くものです,東京の雨。
トイレに行こうと事務室から出ると,新中3のアリミが
「シュウ先生,誰かに似てる。」
「あ,そ。」
ま,どうせ鬼とかコブクロとかだろう。
「ほら,あれ,…エグチヨースケ!」
「ああ,似てるかもー。」
と,レイカが応える声を背中にトイレに入った。
「エグチヨー…,ん?江口洋介ー!?」
用足しもそこそこに飛び出す。
「アリ!エグチヨースケってエグチヨースケか?!」
「そうだよ,ほめてるんだよ。」
「なんていい子なんだ。チョコやろう!」
「わーい♪」
「先生!アタシも賛成したよ!」
「レイカにもチョコ!」
「わーい!」
どう考えてもボクが江口洋介さんに似てるとは考えにくい。言われたこともない。もしかして,江口洋介さんが最近ボクに似てきたなんて話聞きませんか?
D悟,T成ら個性的な男の子たちの陰になって目立たなかった女の子たちもしだいに味を出し始めた新中3。また,楽しみな一年がスタートしている。