OUR DAYS 2009/3才2009/5/6

家で過ごすことにした連休,それぞれに目標を立てた。なおみは古いカセットテープのCD化,食器棚の敷物換え他,ボクは油彩2,水彩3,車のバッテリー換えなど。

初日からびしばしと目標をクリアしていくなおみ,原則性の権化。一方,ボクの方はいっこうに調子があがらないでだらだらと過ごす。そんなに描くのがイヤならいっそやめてしまえ!と心で叫びながら,毎度お馴染みの自己嫌悪にはまってゆく。仕事のときにはスケジュール管理するなおみも,こと絵のことになるとそのへんをよく理解していて「描かないの?」とは決して言わない。

しかし,3日目も昼にになり,ついに見かねたのか

「今夜の夕飯はわたしひとりで作る。」

と言いだした。暗に督励しているのだ。ボクは仕方なく,キャンパスと水彩紙に下描きを始めた。端緒につけば手は早い。全くこの女房がいなければボクは無能者と言っていいだろう。

なおみの作った「鮭とほうれん草のグラタン」は美味しくなかった。天才ではないから仕方ない。当然だがボクよりずっと丁寧な台所仕事で,一般的に言えば味も及第点なのだ。

連休最終日は前日からの雨が朝から降り続いた。ボクは猛然と絵筆をとる。油彩8号と3つの水彩を家中に広げ,ローテーションしながら乾燥を待つ時間を節約する。幸い,車のバッテリーや庭の片付けなどの実務はなおみの管理下にあったので,初日早々に終わっている。

なおみの方は実務はもちろん,懸案だったカセットテープも予定を越える2GB分の音楽ファイルにこつこつと変換を終え,最終項目であるチョコレートケーキ作りに入っている。まさにアリとキリギリス。

夕方,集中力の限界が来て,4枚の絵は未完成のままペンディング事項となった。この日は誕生日が近い義母を夕食に招待していたので,天才クッカーとしても,これ以上,描き続けることはできない。


こうして,いつもの長期休暇と同じく,対照的な達成感を抱きながら,ボクたちの連休が終わった。

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