OUR DAYS 2009/3才2009/7/2

愛撫しようとした手をわずかに避けるような仕草をタローがするまで気づかなかった。右耳の下,去年とほとんど同じ場所が固く膿んで毛が濡れている。

なおみが消毒しようとすると,珍しく顔を背けてむずかるくらいだから,よっぽど痛いのだろう。


一夜明けて病院に行くと,やはり爪で引っ掻いたあとにばい菌が入ったものらしい。最初の傷はドッグランで取っ組み合いしたときかもしれない。が,その日,シャンプーしたときには異常がなかったので,1日の間に悪化したものと思われる。ドクターが電動バリカンを手にした。なおみと看護師が体と足を押さえ,ボクが両手でマズルを掴んで床に押し付けた上,ドクターが首を押さえながらバリカンを当てようとしたが,全員,タローにはね飛ばされた。


タローは一切,声を立てない。ただ,恐ろしい力で暴れるのだ。去年の同じ治療がよほど怖かったらしく,バリカンの音がトラウマになっているのかもしれない。4人(ドクターも看護師も男)で再三チャレンジしたが,とうとうボクが左腕の一番太い筋肉を激しくつったところであきらめた。消毒や薬の塗布は涙目になりながらも,じっと我慢していた。

←一目散に車に逃げ込んで警戒態勢

帰宅してから,なおみがハサミで少し刈ると,やはりおとなしくしていたが,患部は痛いようで,体をびくりと強ばらせるため,完全には刈れない。


傷口を後ろ足で掻くことは,一度叱られたのでもうしない。一週間ほどで治るだろう。


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