M奈のノート
M奈がアルバイト時間の2時間前には教室にやってくる。高校の授業がもうほとんどないからだ。そして何をするかというと驚いたことに数3や化学の勉強である。すでに推薦で理系公立大学の合格を決めているというのに、なんて真面目な子なんだろう。
「M奈、えらすぎる。今までの教え子の中でいちばんえらい。」 「だって、ホントに勉強しとかないと心配なんだもん。」 が、さすがに長くは続かない。 理系のわりには昔から数学も化学も苦手だからである。