OUR DAYS2010年2010/12/18

タローはお出かけの雰囲気を察知すると、足元にぴったりついて歩いたり、玄関へ行くドアに向かって立って「連れていけアピール」をする。朝早くて眠いときは、のそのそとドアまで出てきて、それをふさぐように長々と横になって眠る。大きいだけにかなりの存在感である。

最近は「留守番」という単語の意味を完全に理解した。だから「留守番」と一言言われると、目をまん丸くして驚いたあと、「連れて行けアピール」はぴたりと止め、ハウスに戻ってちんと座る。その健気さにやられて何度お出かけそのものが中止になったことか。もちろん仕事や誰かとの約束があるときは出かけざるを得ないから後ろ髪を引かれること甚だしい。

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帰宅時のお帰り攻撃は相変わらず激しい。むしゃぶりついて、裏返って、ばしんばしん尻尾を振って、最後にボクの手をおしゃぶりのようにくわえてようやく安心する。

だが、その激しさの度合いは留守番の長さや寂しさと全く無関係である。例えばボクが歯医者に行く。30分ほどのことだし、家にはなおみがいるので一人ではないのだが、お帰りなさい攻撃のテンションは数時間の留守番と同じなのである。治療が痛かったときなどはこの攻撃が少し辛い。

夜、仕事から帰ってきたときに近くの公園でなおみとタローを降ろすことがある。先に帰ったボクが迎えれば問題ない。が、コンビニに寄ったりして、一足遅れると、もうおかえり攻撃のスイッチが入った。

「タロー!よく思い出せ!間違ってるぞ。今、5分前に公園で別れたばかりではないか。」

などと説得しているヒマがあったら、尻尾と柱の間に手を入れてクッションにするのが先だ。骨折するのではないかと心配になるほど激しく打ち付けるのである。

ある休日には、駐車場の車を入れ直して家に上がろうとしたら攻撃が始まった。

「うそだろ…」

完全にshu依存症になっている。他人が見たらいわゆる「どんびき」だろう。もし飼い主と犬の望ましい関係の作り方というものがあるとするなら、ボクとタローはその道を踏み外している。

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