OUR DAYS2011年2011/3/18

ハルカにとっては余震も原発も停電も何するものぞ、まっすぐに教室を目指している。期末テストの化学で赤点を取ってしまって、大量のプリントを解いて提出しなければ進級が危ういのだ。

期限はいよいよ24時間を切り、頼りの友だちはすでに総動員してもわからないものはわからない。プリントの空白が埋まらない。中学時代の親友ミサキを呼び出したが、もちろん「できるわけないしー」。この二人が揃えば残る行き先はひとつだ。

ところがたどり着いた教室の前に赤い車がない。電気も消えてる。万事休すと思いきや、事務室の奥にダウンジャケットをフードまで深々と被ってショボくれたshu先の節電姿。

「助かったー!」

これで何とか進級できる。

「なおみ先生は?」
「あとから来る。」

ミサキとハルカが揃って不満げだ。

「だめだよぉ、危ないからなおみ先生が一人で電車なんて。」
「ガソリン買えないんだから仕方ないだろ。」
「なおみ先生ってさ、ほら、あれに乗ってこなくっちゃ。京都のさ、人がひっぱる…えっとぉ」
「人力車ー!!」
「はもるなよ。お前らのなおみ先生イメージっていったいどうなってんだ?」

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