OUR DAYS2011年2011/3/27

Q
一般的に原発事故というとウランやプルトニウムあたりが頭に浮かびますが、報道で耳にするのはヨウ素131とセシウムのことばかり。ウランやプルトニウムによる汚染についてはどうなのでしょうか。

A
ウランやプルトニウムは放射性の金属です。これに対して、ヨウ素131はハロゲン、セシウム137はアルカリ金属で、融点も低く、ずっと軽い物質です。ウランが核分裂して崩壊する過程でできる生成物です。ヨウ素131やセシウム137自身も放射線を出してさらに崩壊しながら質量差分のエネルギーを放出します。

汚染というのが「放射線を出す物質がむき出しで目の前にあること」だとすれば、ヨウ素やセシウムは気化、液化して水に溶けたり、細かくなってホコリや灰燼といっしょに風で運ばれて遠くまで広がる性質があるから注意が必要です。

ウランやプルトニウムは水に溶けませんし、細かくなって飛んだりしません。ですからもし、今回の事故でご質問のようなウラン汚染があるとすれば、原子炉が吹き飛んだり、割れたりして、燃料棒がごろりと転がる状態ということになると思いますが、たぶん東京までは転がってこないでしょう。

Q
水道水を煮沸すれば放射能を消毒できますか?

A
おそらくできません。正直、ボクもわかりません。実験したことがある人もいないと思います。ただ常識で言えばヨウ素131の、沸点はもちろん融点も100℃を超えているので、煮沸によって水より先に蒸発することはありえません。常温で固体ですから、食塩水と同じように濃縮されるでしょう。また高温にしても、化合物ではないので分解することはありません。細菌でもありませんから殺すこともできません。

追記:ヨウ素の沸点は184℃なので蒸留は有効だと思います。が、問題は残った水の方です。放射性ヨウ素が濃縮されると思われるので、少なくとも数日間は近づけない廃棄物となるでしょう。

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