OUR DAYS2011年2011/5/19

週末の海水浴はいつものように九十九里で泳いで地物の魚でランチのつもりだった。ところが一週間ほど前から福島第一原発では「メルトダウンしていた(過去形)」とか「基準の何十万倍かの汚染水が海に流れ出ていた(過去形)」とか「冷却水の大半が行方不明」だとか。とても外房で泳いだり食べたりできたものではない。風評被害という言葉をよく耳にするがこの状態を果たして風評と言うだろうか。

政府の安全宣言なんてばかばかしいにもほどがある。もしもボクが外国人なら向こう10年日本産の食品は食べない。

日本に義援金も応援メッセージも送るけど、それとこれとは別。愛媛みかんとか松阪牛とか広島の牡蠣とか原発と遠いかどうかなんて関係ない。日本のものは食べません。キヤノンのカメラとかトヨタの車とか放射能ついてないかね。別にムリしてまで欲しくない。来週は出張だけど前日部屋に泊まったのが日本人じゃないかどうかだけはホテルに確かめるつもりだ。

日本に旅行?悪い冗談はやめてよ。

…これが現実だと思う。だって20年前、ボクたち日本人はチェルノブイリのトウモロコシとかウクライナのチーズとか食べただろうか。…そして今なら食べるだろうか。

管政権の見通しの甘さはほとんど気絶ものだ。首相がイチゴを食べて見せたら、アメリカ人やらフランス人が「おー♪フクシーマのフルーツはあんしーんデスね。」 と、買ってくれると本気で思っているのだろうか。日本びいきの若者がいるとして、彼が心配する家族や友人を説得してまで訪ねてくるほど、京都や奈良は魅力的な観光地だと思っているのだろうか。

TPPなんて論外だ。むしろ国際会議で土下座してでも日本の農、水産業の特例的保護を認めてもらい、そのすきを狙ってしたたかに内需を掘り起こし、経済を軌道に乗せるしかない崖っぷちだと思う。

これまで、やれ「クリーンなエネルギー」だとか「オール電化」だとか推進を煽っていたマスコミが掌を返したように原発の危険性を訴えているのも片腹痛い。

少なくともボクは学生時代から一貫して原発、核兵器に反対し、ただの一度も原発を容認する政党にも首長にも投票したことがない。そして可能な限り廃絶の訴えをしてきた。

だからこの浜に来た。そして浜岡原発の上空にボクらは虹の輪を見た。

どんな形にせよ浜岡が停止したことを、新たな未来への第一歩だと考えたい。

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