OUR DAYS2012年2012/8/1

風呂が沸くまでの15分ほどと思ってつけたオリンピック中継がモザイクだった。やがて砂嵐になり、放送を受信していませんとのメッセージが表示された。そう言えば今月に入って、予約してあったはずのBS番組が頻繁に録画失敗になっていた。あいにく忙しい盛りで、仮に録画できていたとしても見る時間がなかったので放置していた。

ぼおっと砂嵐を見ながらどうしたものかと考える。その前を洗濯物を抱えた妻が何度か横切る。この時期、妻に至っては深夜に帰宅しても座る暇すらない。入浴してベッドに崩れ落ちるまで、ひたすら家事をこなす毎日である。ここでBS放送が見られなくてもウチに関してはまったくもって問題ない。とは言うものの、家電関係のメンテナンスは夫の担当だ。

「ふうっ」

ボクはため息を一つついてからテレビ台を動かし、配線を調べることにした。BSの主配線は放送が始まった年に自分で設置したものだ。レコーダーや液晶テレビに接続しているケーブルやコネクターも当時の部品が多い。とりあえず分波器をショートカットして、メインのテレビにBSケーブルを直結してみた。依然、砂嵐である。

あちゃー、こりぁ、ケーブルがどこかで断線してるかなあ。

そうなると大ごとである。もしかして先日の嵐でパラボラの角度が狂ったのかもしれない。

ありうるな。

ベランダに上ってみて仰け反った。パラボラの前に白樺の枝が大きく被り、葉を繁らせているではないか。…これだよ、原因は。この白樺の木は、10年ほど前に八ケ岳の森に生えていた実生の苗を面白半分で庭の隅に植えたものだ。日当たりが悪いにもかかわらず元気にニョキニョキと伸びて、近年はお隣の壁をこすったり、玄関に落葉を降らしたりして迷惑をかけるほどになっていた。だが、まさかアンテナと静止衛星の間に割って入るほどに高くなっていたとはびっくり。

「懐中電灯持って来い。」

ボクは妻を従え、高枝切り鋏を肩に担いで再びベランダに登った。真夜中の枝打ちである。BS映像はあっさり復活した。

翌朝、アイフォンで撮影

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