OUR DAYS2012年2012/9/14

(食事中の方はご注意願います。)

教室では生徒を厳しく叱らなくてはならないこともあります。

「ばっかもーん!!」
「ひえー!すみません!」

で、カラッと終わらせるときもあれば、事務室でじっくり説諭するときもあり、状況や子どもの性格によって全然違います。小学生、集団、確信犯…ま、いじめの初期段階ですね…なんてときは、別室でちょいと恐く叱って、きちんと反省させる必要がありますね。

「二度と卑怯なことはすんな!返事は!」
「(半べそで)はーい」

みたいな感じです。

さて、ここまで本題にあらず。プチイジメ事件を解決して、笑顔で授業に戻ります。そのとき、なおみの陰から現れたタローの目が真ん丸たったのを気にかけるゆとりがありませんでした。叱られた子たちを今度は元気づけるために、おもしろい授業をしなくてはならないからです。タローは黙ったまま、すれ違うように事務室に入っていきました。やがてボクのとっておきのギャグで教室は爆笑の渦です。さっきまでシュンとしてた叱られ組も楽しそうに笑っています。

そこに臭ってきたのです。

慌てて事務室に飛び込んだなおみが思わず絶句して立ち尽くしてしまいました。ゆるゆるのアレが、しかも半端な量じやありません。大きな体の四分の一はあろうかという量で、床に盛り上がっているのです。部屋の真ん中にはタローが所在無げにションボリと立っています。

雷も地震もとんと平気なのに、タローはこの世でただひとつボクが怖いのです。タロー自身が叱られたことなんか、生まれてこの方数えるほどしかないのですが、誰にであろうと、ボクが怒るということ自体が強いストレスになるようなのです。ボクも気をつけていて、今日もなおみに目配せでタローを頼んでおいてから、別室で声を殺すように子どもを叱っていたのです。でも、タローは、怒声ばかりではなく、空気中に漲る何かを感じるのでしょう。ビンビンと伝わってくる別室の緊張感のために、もうストレスの限界だったのでしょう。

タローの下痢は、尚も一昼夜続いてようやく治りました。

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