「あー、いい季節。一年中、こんな気温ならいいのに。」
…と、なおみが言います。
ばっかだなあ、年に二回だけだから、いいんじゃないか。
歴史と季節の国は風。さ、さ、さ、サラダの国から秋に来るのはイルカ。浴衣の君はススキのかんざし…。
なあ、週末、温泉にでも行かない?
「ダメ、今週は冬物出すために、洗濯いっぱいしなくっちゃ」
ところが二人の目論見とはうらはらに、週末は土砂降り、嵐の予報です。
…ウチで鍋でもするか。
原っぱで遊んでいたはずのタローがいつのまにか足元に戻ってきていて退屈そうに、
「もう、行こうよ。」
…と、目で言いました。