OUR DAYS2015年2015/2/23

都立一般入試直前の日曜補習…

もう私立高校第一志望や推薦で合格を決め,ひと足先に教室を卒業している子たちもみんな集まってくる。

それが教室の「中3最後の授業」だ。

朝10時,圧倒的な内申点で都立に推薦合格したマイコもAちゃんも,バスケットでスカウトされちゃったケンスケもみんな時間通りに席についた。いつも遅刻ばかりだったけど吹奏楽のために私立を選んだYスケまで神妙な面持ちでプリントを開いている。

真剣な実戦テクニックを交えた授業が淡々と進む。あるいは受験生たちの緊張をほぐすために,おもしろおかしく山かけをしたりする。受験生はもちろん,すでに合格して全く役に立ちそうにない子たちも真顔で肯いたり爆笑したりしている。

ボクもなおみ先生もいちばん心地よい時間,一生懸命な時間,そしてほっとする時間でもあるのが,暮れから追い込みに入ったあとの中3の授業の時間だ。ボクたちは全能力を傾けて一人ひとりのことを考えている,子どもたちはボクたちを信頼しきって遮二無二ついてくる。いったい,これほど充実している時間が他にあるだろうか。それが突然のように終わるのも今日だ。最後は定番ボクの理科の授業。爆笑する子どもたちの後ろでなおみ先生がそっと涙をぬぐっている。別れのときだ。

ところが今年は授業が終わってもなかなか子どもたちが帰らない。

「先生,円陣したいんです。」

体育系は苦手なボクだが,玄関を出て円陣の中心で「全員合格するぞー!!」と叫んだ。

「おー!!!!」

受験生諸君,長い間,楽しい時間をありがとう。ボクたちを信頼してくれてありがとう。

夕方からは中1,中2の子たちが定期試験の補習にやってくる。何かお腹に入れた方がいいと,なおみがコンビニでおかゆを買ってきた。実は体調が悪化して,真夜中に吐き戻しながら風邪の症状に苦しみ,あまり眠ってもいなかった。…が,幸い受験生には誰もうつった子はいなかったようで安心した。常に新しいぴっちりマスクをつけ,手にはじゃぶじゃぶと消毒液をかけながら,尚,接触を避けたのが功を奏した。

実際,中学受験を含め,今年の受験生たちは本当によく勉強した。だから,ついムリをして,ボクたちも壮絶なサポートを続けてきた。だが,それも終わった。もう,祈る以外,何もしてあげられることはない。

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