羽田空港
宮古島初日
というわけで，これがボクたちの荷物である。
羽田着
搭乗手続きぎりぎりに駐車場の地下でワントゥさせる。
ボクたちのぴりぴりした雰囲気を察して心配そうにしていたタローは，とにかくボクたちと一緒にいられるとわかったらしく，ジャンプして喜んでいる。
信じられないことに，羽田ではカウンターまでの数十メートルを歩かせることができない。
こんなちゃちなカートじゃ，ポータブルのケージが壊れちゃうよ。再びカウンターに交渉する。
「あの，ウチの子はゴールデンなんですけど…」
…と，いう根拠の希薄な理由で係員を押し切った。
当然だがゴールデンなので（笑）ちゃんと並んでる。
「いや，檻は断る」
…と，タロー（笑）
観念した。
「もしも輸送中に死んでも文句は言わない。死骸が他の客の荷物に損害を与えたら弁償する。」という書類に署名捺印している。
だが，タローがフロアを歩くときに「全責任は私が負います。」と言った係員を始め，ANAの職員のペットに対する対応は国際水準にある。
おそらく野蛮なのは日本の航空会社ではなく，乗客（飼い主を含めた）の方なのであろう。欧米並みに成熟するには少々時間がかかる。
いいのである。どんな理不尽な目に遭おうと，淡々と耐えるのである。心ない乗客の冷たい視線にもいやがらせにもにっこりと応えるのである。
ボクたちは日本一きれいな海でタローと泳ぐのだ。
タロー，空を飛ぶ
空席があるのにボクとなおみの席は離れ離れだった。カウンターまで犬を連れていく方法でもめている間，搭乗手続きは後回しにされていたからだ。
何の問題もない。そもそもボクたちの心は貨物室のタローに飛んでいる。
乗り継ぎの那覇空港についた。貨物のはずなのに犬の料金は倍になる。…全く何の問題もない。
お昼時なので，乗り継ぎの乗客はカフェやレストランに行く人が多いが，なおみにサンドイッチを買いに行かせて，ボクは窓ガラスに張り付いて飛行場を見ている。
3月とは言え，気温は30度近い。積み替えのために飛行機の脇に運ばれた荷物の中に，オレンジの網でぐるぐる巻きになったタローのケージもある。…これは問題がある。アスファルトの照り返しと，エンジンの熱であの場所の暑さはいかばかりだろう。
平良空港着
ベルトコンベアの脇から現れたタローのケージに猛ダッシュする。
タローは元気だ。そしてこの空港はフロアを歩いても叱られない。少なくとも羽田よりは国際化されている。
ゲストハウス
宮古平良空港。
タローに水を飲ませて，ようやく南の島へ来たという実感が湧いてきた。
まずはタローとなおみを涼しいところに待たせて，レンタカーの送迎車に乗る。
何度も寸法を調べた軽自動車だったが，後部シートを倒しても平らにならないことは計算外だった。なあに，斜めでも長時間乗ることはない。ビニールシートを敷き詰めてポータブルケージをセットする。
そして空港から車で20分。これがボクたちの宿である。とても拾い2LDKの二階フロアを丸ごと借りて犬オッケー。
1Fはオーナーの自宅と事務所になっている。クーラー全開の事務所にはゴールデンが2頭。
挨拶に行くと，話が止まらない。目で合図して，なおみだけ荷解きに行かせた。そこへオーナーの仕事関係の業者が来たのでラッキー♪…と，思いきや，業者も話しに加わって，ますます長くなる。
来間島
実に1時間5分続いたおしゃべりを何とか引き取って，島の南岸を探訪した。ドイツ村とかいう観光施設があるが，ボクには全くお呼びでない。
来間島という南側の小島に橋が渡っている。
来間島のビーチでようやくサンゴ礁の海を見た。
タロー，あわてなくても，時間はたっぷりあるよ。あした泳ごうな。
西の方に今年開通した伊良部大橋が見える。
帰り道，なおみがヤギを見つけたので車を停めた。熱心に写真を撮っている。ボクとタローはぼぉっと，何もない辺りの道を散歩する。この痺れるほどゼイタクな時間の使い方（笑）今日からボクたちはこの島で一週間も春休みなのだ。
なおみの写真はあまり上手には撮れてなかった。
島の中心街近くに24時間営業のマックスバリュがあったので，探検がてら惣菜を買った。
今夜はハリルホジッチ監督就任二戦目となるウズベキスタンとの親善試合を見るので料理している暇がないのだ。
ところがびっくり，いくらチャンネルを回してもサッカーの試合をやっていない。親善試合とは言え，サッカー日本代表戦の中継がないとはかなり驚いた。
まあ良い。スーパーの惣菜は不味いけど，なおみが急いで作った味噌汁でオリオンビールを飲ろう。さあ，初めての南国でばんばん飲むぞー！！
…って，あれ？
昨日まで講習だったので，タローもなおみもお疲れモード。