OUR DAYS2015年2015/8/7

夏の間,預かってくれた母が,スマホで撮った写真集

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スマートフォンはとても便利だ。

毎日,母が撮った写真をラインに上げてくれた。

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だからボクたちは,仕事をしていても,朝でも,夜寝る前でも,ヨーロッパを旅していてさえ,リアルタイムのタローに会える。

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だけど…

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ホントにそうなのだろうか。

ボクらは何となく寂しさを癒されているけれど,タローが分かるわけではない。一方通行だ。ボクらの写真を液晶画面で見ても分からない。

声は…聞き分けたそうだが,「どこ?帰って来たの?」と,探すばかり。

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スマホはしょせん,便利な気がするだけで,本当の幸せをもたらすわけではない。

タローは,母にまるで孫のように大事にされて夏を暮らした。毎朝,目を覚ますと,母のあとについて庭に出て,ハウスのミニトマトをひとつもらう。決められた餌以外食べさせないようにボクが頼んでいたので,そのトマトはタローと母の秘密だ。そして一日中,母の庭仕事を手伝ったり(本人は手伝っているつもり),日陰に寝そべったりして過ごしたそうだ。

その話をボクたちはあとで聞いて,とてもうれしかった。それはラインの写真を見ても感じられない感覚だった。幸せをもたらすのは機械ではなく人だ。

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