山では元気なタローが東京では目も当てられない。
荷室から飛び降りられなくなったのは半年前,夏前には玄関を下りるとき転ぶようになり,今では20cmほどの後部座席の床から下りる際に,しばしば着地に失敗する。手で補助してやらないと,よく地面に胸や頭から落ちてしまう。
ゆうべはなおみがちょっと補助しそこねると,慣れている家の駐車場にも拘わらず,べちゃんとコンクリートにたたきつけられた。まあ,20cmの高さなので大怪我はしないけど,股関節をやってしまったら歩けなくなる。
そこで今日から胴輪をつけて,短いリードでしっかりと補助することにした。
おっと,これがなかなか便利。
ほら,人が来るたびに長いリードを首輪につけなくても,胴のリードをちょいと持てばオッケー
この横断歩道の数センチの段差でもバランスを崩すことがあるのだが,このリードならすぐに支えられる。
それほど筋力が低下しているわけではない。オンとオフのときの五感(もしくは六感)の働きが違いすぎる。ちょうど,ボクたちがぼおっとしているときに周囲の音が聞こえなかったりするのと同じように,気合が入っていないと,視覚や聴覚,それに運動神経がオフになっているときがあるように感じる。夜中に目を覚ましたときなど,床から立ち上がれなくてもがいていることがあるのだ。
だが,体の衰えに戸惑いながらの行動は,ますます一途に健気になり,愛おしさが止まらなくなる。困ったものだ。