木曜の休日。なおみがごほごほ,頭が痛いと言う。さすがに母とボクのダブル風邪っぴきのために,ウイルスが蔓延している家にいるのだから無理もない。ショッピングに行く元気もなく,それでもタロシャンしたあと,父の命日に供えるシベリアというお菓子を探しに隣駅まで自転車で出かけていた。
もう風邪も平気だから夜のタロ散くらいはオレが行くよ。
…と,遊歩道まで出たところが,タローが大ワントゥの後,なおも座り直して,ぴーごろごろごろ。
ひょえー!!
久しぶりにお腹下しだー!!どうやら,タローもそれとわかるらしく,「またごはん抜きかな,とほほほ。」というような何とも言えない表情で見上げる。帰宅して,念のため部屋の隅にワントゥーシートを敷いて寝た。
翌早朝,こみ上げるタローの声で目が覚めた。シートまであと一歩のところで胃のものを吐いた。ワントゥにも行きたそうである。飛び起きて…と,言いたいところだが,実は深夜からボクもお腹を下してあまり寝ていない。力も出ない。代わりのなおみが飛び起きて,遊歩道まで駆けて行った。
「だめぇ,すんごい量で,最後に粘膜つきも出した(笑)…あら?どうしたの。」
こっちもダメそうだ。もう出るものないのにお腹痛い。午前中,タローと二人,大人しく寝て過ごす。なぜに父子揃ってウイルス性のお腹下し。
出勤してお腹は落ち着いたが,腰がひどく痛んで痺れる。気休めにしかならないけれど,正月以来止めていたリリカ(神経痛の薬)を三錠口に放り込んだ。これが悪かったのかわからない。6時半ごろ,小学生の授業が終わるのを待たずに,目まいと吐き気で事務室の床に倒れこみ,ぴくりとも動けずそのまま昏睡。金曜の夜は30人近い中学生が来るいちばん忙しい日だが,なおみが一人でどうして切り抜けたか知らない。気絶状態で3時間ほど記憶がない。
「あたしの風邪ひきの声が低くて,子どもたちにウケてた。」
あ,そう(;^_^A…ねぎらいのことばもかけられない。吐き気と目まいが止まっていなかった。車のエンジンをかけ,助手席で眠りながらなおみが片付けや掃除を終えるのを待った。
授業に穴を空けたのも,車の運転ができなかったのも記憶にないほど久しぶりだ。タローは食事を抜いてアカダマを飲んだので下痢は止まった。ダメだとわかっていても,一生懸命唯一の芸「イマムラタロークン」をしてごはんを欲しがる。金曜の夜も土曜の朝も,ごほごほしながらタロ散から食事の支度からなにもかもなおみが全部やった。
今日(土曜)の出勤。完全に回復していないが,運転はなおみよりはマシである。タローもごはん半分をもらって少し元気が出た。二人してパンを買いに行ったなおみを待っている。
さ,今日の授業が始まる。タローは空腹でどてー。ボクはふらふらが続いている。正露丸とパブロンを飲んだ。