天気がよい日は望遠レンズをつけた一眼レフを袈裟掛けにして荒川を散歩する。コースの中程に一か所だけ関門がある。
この護岸用らしき石積みの場所をタローが通れない。崩れないように鉄製の網が施されていて,それに足を引っかけるのが怖いからだ。
体重の軽いマロンは網の上を上手にひょいひょいと渡ってくる。タローは何度か網から抜けなくなった恐怖の記憶があって足がすくんでいる。
仕方ない。ボクが担いで渡すのである。腰痛,痺れに苦しむボクがである。アメリカ製の可動ストラップをつけた望遠付き一眼レフを肩から外し,バッグに載せて地面に置く。分厚いヤッケを脱いでその上に置く。マロンをステイさせて,屈伸運動,ストレッチをする。そして,気合一合!
えーーーーーーーーーーーーーいぃぃぃ!!!!
タローを抱えて,金網と石の上を5メートル歩く。
をい!!待て!タロー。オレたちを置いていくな。
笑ってる。感謝の気持ちはまったくない。
あんまり派手に駆けて,干潟の鳥を飛ばすなよ。