OUR DAYS2016年2016/8/5

3日目,コンビニで菓子パンと缶コーヒーをどっさり買い,バファリンをかじりながら一日中痛みに耐えていた。タローのお腹は悪化することなく快方に向かう。夜,なおみが帰ってきて,猛然と掃除をして家の中もさっぱりした。

結局,この3日間,毎日顔を会わせたことになるが,ボクたちはそれぞれ未曾有の体験をした。特になおみはわが社(笑)の年間最大のイベントを一人で切り盛りした。いつも事務を一手に引き受けているが,リーダーをするのも,責任者として決断するのも,子どもを乗せて長距離を運転するのも初めてだった。初日,教室に着くまでに,緊張で胃が痙攣しそうになったと言う。あの朝,タローが体調を崩して留守番になったのは,神さまの采配だったやも知れない。タローの世話まで一人でしていたら,なおみの体はとても持たなかっただろう。

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ところがすべての心配は杞憂に終わる。正義感のかたまりのごとき中学生の集団とは面白いものだ。突然のリーダー不在に「協力してなおみ先生を助けよう」という流れができた。

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「驚くほど手がかからない,時間は守る,遊ぶときは全員で盛り上がる」笛を吹けばやんちゃな連中までがさっと集合する。

無事解散後には子どもたちから「楽しかった」「また行きたい」「なおみ先生最高!!」と合宿を絶賛するメールやラインが続々入った。ボクとしてはすこぶる面白くない。

「来年も仮病を使って休むか」

術後の経過はとても順調だが痛みだけは場所が場所なだけに,どうにもこうにも辛い。風呂場の洗髪はとても人には見せられたものではない。

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今年は遠くに出掛けずにしらべ荘で,絵とバイオリンに賭ける夏休みを予定していたが,目が不自由ではどうにもならない。なおみに至ってはあまりの忙しさからバイオリン自体を職場に忘れて来てしまっている。

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目には黒目と血の赤目だけで,まだ白目がない。気泡は随分と小さくなって来たが,鈍痛は変わらず,こう痛いと予定など考えられるものではない。今年の夏は東京でクーラー漬けで終わるようだ。

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