最近使っていなかったミッキーのレインコートを着せてみる。
去年,湯沢から十日町に抜ける峠で雪遊びしたときに毛に乾いた雪玉がたくさんついて困ったからだ。
車には十日町で買ったかんじきも積んだ。
毎週休日出勤になっているこの時期,毎年,一回だけ休日出勤を休みにし,二日がかりで雪国へ出かける。
タローに思いきり雪遊びさせるためだ。そしてその様子に目を細めるためだ。
たいてい,関越トンネルか長野道の立峠トンネルを抜ければことは足りる。
ところが今年は休みを取った日に暖気が入り込み,北陸地方は軒並み雨の予報になった。
北に行くしかない。
簡単な結論である。雨の中で遊ぶのは辛いが雪ならば吹雪でも厭わない。かんじきもある。
土曜の仕事は長引き,東京を出たときは日が変わっていた。
夕飯を食べる暇もなかったので,佐野ラーメンと餃子を二人でシェアした。
どこまで走っただろうか。朝起きると,まだ白河の関を越えていなかった。
驚いたことに会津でも雨になっているらしい。朝ごはんを食べてさあ出かけよう。
北へ北へ,どこまで行ったら雪になるだろう。
太平洋側は穏やかに晴れている。雪遊びは明日にして,行きたかった場所を訪ねよう。
朝市。貝と烏賊を買って炭火に載せる。
焼いている間になおみが人気のセリ鍋の列に並んでゲットしてきた。
旨い。
ここは大震災の津波で大きな被害の出た名取市の閖上地区。
モニュメントの先端が地震発生から1時間後に襲ってきた津波の高さになっている。
新しい町でほとんどの住民は津波についての予備知識を持っていなかったそうだ。
平坦な埋め立て地から海の様子を見るために作られたのが日和山,標高6.3m(津波は8.5m)
山頂には神社がある。
この山に避難していた人のほとんどは,高台の中学校に逃げる途中で犠牲になった。
名取川をヘリコプターから撮影していたNHKのテレビが偶然,街が津波に飲み込まれるところを中継して世界中に配信された。
いつかこの神社に鎮魂のお参りをしたいと思っていた。
神社の場所はすぐにわかった。日和山以外は6年を経た今でも平坦地だった。
TP(Tokyo Peil:日本水準原点)+7.2m ×総延長29kmの大堤防。
被災地以外では震災の記憶は確実に薄れつつある。
北に移動してここは伊豆沼。
鳥インフルエンザの影響でいささか肩身の狭い白鳥諸君
湖面が夕日に染まる。
最寄りの旅籠屋まで車で1時間半はかかる。
温泉のある道の駅なら25分。考えるまでもない。
こうなるだろうと寝袋もカーテンも持ってきている。
「思い切りのんびり浸かって,40分後に待ち合わせね。」
四六時中一緒にいるボクたちなので,家以外でのお風呂タイムを持て余す。
ジムの風呂は25分。
頑張って体を洗うのと洗髪を二段階に分け,5分長い30分かけて浸かった。
待ち合わせのソファーに行くと,なおみも前後して上がって来た。
ウェブサイトに載っていた地産地消の人気レストランのはずがちょっと勝手が違う。
どうやらその店は隣だったらしい。
まあ,いい。二個のカキフライとメカブが地物らしい。
大型犬を連れて旅していると,車泊は全く苦ではなくなってくる。
道の駅にはご同輩の犬連れが多いが,みんな大きなワゴン車だ。