家族のように毎日一緒に過ごしていた受験生たちと突然の別れが迫っている。でも,この時期は来期の準備に通常の定期試験対策も重なり,忙しすぎて実感しているゆとりがない。土曜も朝から,補習と並行して来年度新中3の保護者対象の説明会を開き,昼には入会面談をひとつ,それに気を遣う見学の子がいる授業があった。夜は10時過ぎてから「最後の授業」のプリントを仕上げ,もちろん帰宅したのは日が変わってからだった。
明けて日曜,最後の授業…と言ってもまだ二回ほど補習がある。
来るときに永代橋のオオカンザクラが花をつけているのを見つけたよ。一昨年ばっさき切られて,去年はほとんど花芽がつかなかったのにね。こりゃ久しぶりにオレの全勝パーフェクトの前兆だぞ。お前らの合格はもう決まった。
…まくらの駄話まで,食い入るように聴く子たち。
面白マンガスライドの理科で締め,受験生を送り出すと,入れ替えに中1,中2の子たちが定期試験補習にやってくる。実感どころか感傷に浸る暇もない。
…いいのかもしれない。だからこんな別れに心が耐えられるのかもしれない。ならば,忙しいほどいい。8時半頃,脳がもうどうしても動かなくなってきてギブアップした。
帰宅して近所の居酒屋に行ったのは二人の「ウチアゲ」を予定していたわけではない。本当に食事どころか夕食をどうするか話すゆとりすらなかった。