OUR DAYS2017年2017/12/25

manga.gif

タローが10才の誕生日を迎えた頃から、人に心配される毎

「もうここまで生きてくれたのだからいつでも覚悟はできてるよ。」

と嘯いていた。今にして大嘘だったことが分かった。覚悟どころか幸福な日々が永遠に続くものだと思っていたらしい。梯子をいきなり外されたようにふわふわと実感のないまま、胸をヤスリで削られるような悲しみが襲ってくる。それに耐えようと何をしようとボクたちを待つのは、タローのいない朝、タローのいない職場、タローのいない旅である。日常であった幸福は突然終わり,もう来ない。かわいかったな。誇らしかったな。ボクらはつい10日前まで愛らしいゴールデンレトリバーを飼っていたのだ。仕事が忙しくてよかった。母がいる時期でよかった。ボクらはまだ二人きりになるとめそめそ泣いて暮らしています。


NEXT