在りし日々/桃青窯696より転載
OUR DAYS
2021年
2021/10/28
Shu & doremi夫妻にとって
タローを描くことは文字であれ絵であれ
命が蘇ることなのだ
自分の命もタローの命もである
先月描いた今年のタロー
数日前の窯で焼きあがった
在りし日のタロー
ゴールデンレトリバー
気品があってダンディーである
大きくても滅法優しい犬で
Shu&Doremi夫妻に熱愛されたが
同時に彼もまた夫妻を猛愛していた
ふたりには4年前の哀しみを
4年で癒すことなどできようもない
忘れる努力よりも忘れない絆のつもりで
1年に一度くらい
工房に来て皿にタローを描いたらと奨めたのだ
Doremi & タロー
Shu & タロー
三人はいつでもどこでも一緒
タローを断るホテルがあれば
彼らは三人で車で寝たし
同じ理由でtake outの食事で済ませた
Shu&Doremi夫妻が主宰する学習塾は
タローの職場でもあった
難関の進路に思い悩む受験生にとって
もしかしたら
タローは信頼に足る盲導犬だったかもしれない
生徒たちの真ん中に坐して見守る様子は
それが仕事だという自覚に満ちていたようだ
そう云えば
Shuちゃんが私のPCをいじってる間
タローは私のベッドの足元でじっと座っていた
私にも大事な盲導犬だった
「恐懼して落涙とどまらざるあるのみ」
夫妻の好意で私のPCは動いている
美男美女にしてなおその熱い友情に
どう応えられるものやら
せめてタローを大皿に止めおく一助になればと
窯に火を入れたのだった
水彩画家でもあるShuちゃんだが
火を通す陶芸絵具はまだ不慣れ
しかし毎年繰り返せば
タローはきっと戻って来る
そんな気がするほど三人は濃いのである
Shuちゃんのアトリエ
タローの油彩画です
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Shuちゃんの指摘で
これは
Shuちゃんのご母堂の愛犬マロンの絵でした
間違えました ペコッ!
とはいうものの
マロンは実は我が家の桃次郎の嫁さん
二人の間には3人の柴が生まれましたが
桃次郎夫婦も既に天国です
大した時間ではないのに
かけがえのない家族との別れがあっても
絆はちゃんと残っています
元ページ:
桃青窯696「在りし日々」
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