河口湖一周

湖岸+寄り道: 18.3km


November 29th/2020


夜明け前,精進湖畔に着いたときにはすでにざっと50人以上の好事家が富士に向けて三脚を立てていた。



5D Mark3とX-E2を急ぎセッティングする向こうに何やら不吉な黒雲が湧く。



ちょうど朝焼けの頃に富士はすっぽり雲の中に隠れた。

ピーカンでも朝焼けはしない。程よい雲も必要だ。毎週天気予報をチェックして厳選した朝なのに…。



粘っていた人たちも一人去り,二人去り,ぽつんと一人取り残されてようやく撤収を始める。



富士山撮りは不発に終わったが旅の主目的は隣りの河口湖を一周するチャリ活である。



教室が多摩センターにあった頃,河口湖には毎夏マイクロバスを運転して合宿に来ていた。当時子どもたちをボートで遊ばせた駐車場を20数年ぶりに訪ねた。



風景は変わらなっていない。懐かしさがこみあげた。ここが今回の出発点,湖岸をなぞるように一周約18キロの行程である。ドレミは事前に朝から開いているコース上のカフェをたくさんチェックしている。カフェに寄るのは快く早朝の富士撮影に付き合うのと交換条件である。



いざ出発!



走り出してすぐに美しい公園にペダルを停めた。X-E2のレンズをTouit50マクロに付け替えて熱心に四季桜を狙っている。



ツァイスを使ってもたいした作品にはなっていない。



八木崎公園

河口湖大橋を臨む広々とした芝生が広がっていて,犬を連れた人たちに人気のようだ。朝早くからもう何組も犬を遊ばせている。



お互い口にはしないが,ことさらボクたちがはしゃぐのはこんなとき…タローを想ってどうしようもなく寂しくなったときだ。


船津浜


湖の北側に回った頃,雲の中から富士が顔を出した。夜明けにこんな雲の具合だったらよかったのに。


湖畔道路に面したホテルや旅館はどこも超満員,車が道にまではみ出している。Go to トラベル が東京からの発着も解禁になって,いわゆる近場の観光地の高級旅館は一躍脚光を浴びている。宿にあふれる客たちは予約するときにまさかこんな状況になるとは想像していなかったことだろう。数か月前までは品川ナンバーだと石を投げられる危険すらあるほどだった。

都会からの客で密な宿や観光地での感染リスクは高い。感染の第三波を受け,Go to トラベルは見直しが検討されているらしい。


お揃いのナイキのジャンバー,通称「青ジャン」は,ちょうど河口湖に毎年来ている頃に買った。春と秋の旅のときにしか使わないのでもう25年近く持っている。



大石公園でトイレ休憩するとやたらとオープンエアなカフェがあった。

「ここも候補のひとつだったのよ。」

ドレミが嬉々として飲み物の注文に走って行った。



ラベンダーティとチャイ,手作りのっクッキーが何ともおいしい。犬と一緒の頃はこんなところでのんびりすることはなかった。タローを遊ばせながらせいぜい缶コーヒーがいいところだった。



寄り道が過ぎて,そろそろ観光客が増え始めた。遅れを取り戻すべく大石公園から勝山までは一気に走った。夏までは圧倒的速さだったドレミが今はボクのペースについて来られない。

「シュウ,体力上がったわ。」

仕事帰りのチャリ活が成果を上げ始めたようだ。



駐車場に戻る前に記憶を頼りにかつての合宿所を訪ねた。冬期は休業中で客はいない。ひっそりとしていた。夏合宿も今年はほとんどキャンセルだったろう。ずっと都会の子どもたちの思い出を作り続けてきた。支援すべきはこういう宿である。



139号を吉田に急いだ。



もうひとつのお楽しみ。



吉田うどん。



昼にはすいぶん早いが人気店なので客は多かった。地元の人が多くまだ観光客はほとんどいないようだ。ぎりぎりセーフ。



月見うどん400円。



肉うどん450円。

馬肉を甘辛く似た看板メニュー。

ボクらの旅は Go to トラベルにもイートにも縁がない。



揚げ玉と辛みはお好みで…。



12時になる前に中央道に入り,東京まで渋滞せずに帰ることができた。