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その1/みどり湖駅事件

旧中山道塩尻宿クロスバイク行のスタートで起こった大事件


まずは時刻表と地図を駆使した十津川警部シリーズばりのスタート準備をご覧あれ(すみません!!自転車で走り出す前の事件記録でまだぜんぜん史跡探訪に入ってません。自転車にも鉄道にも興味のない方は飛ばしてください…でもホントは面白いからお読みになるほうがいいですよ)。

6月某日 7時34分 妻のドレミを職場に送り、平出遺跡の駐車場でセットアップ。荷物をチェックし、自転車のアクセサリーはいったんリュックに詰める。

7時49分、JRみどり湖駅に到着。先週立ち寄って下調べ済。ふれあいセンターの駐車場を借りてバイクを下ろす。道の向こう側に自転車置き場が見えている。

駐輪場も調査済。愛車ブルー☆ジャイアントをチェーンで固定する。

8時7分、ほぼ同じコースをとって返し平出遺跡を通過してJR洗馬(せば)駅到着。

位置関係です。

駅前広場の邪魔にならないところに駐車する。

ドレミが手作りのサンドイッチで朝食。8時27分松本行をやり過ごす。この電車に乗ると塩尻駅での接続がとても悪い。車で小1時間ほど仮眠して予定の電車を待つ作戦である。

リュックにヘルメットを持って出発。ここで想定外の事態に直面する。無人の洗馬駅には券売機やSUIKAの自動チェックイン機はもちろん、乗車駅証明書発行機もない。うろたえてあれこれ掲示を読むがどうしたらいいか分からない。

9時38分、定刻通り松本行普通列車が入線。

何とワンマンカー!!
「運転士にご用の方は停車中におたずね下さい」
との貼紙…もっともなことである。自分で解決しようと試みたが、電光掲示板には「洗馬」とあり、塩尻まで190円と表示されているがボクの行くみどり湖駅はリストにない。誰かに聞こうにも、近くに座っている乗客はドイツ語らしき外国語で楽しそうに話している金髪女性の二人連れと老婆が一人。そうこうするうち、塩尻に着いてしまった。

「停車中」になった運転士にすかさず聞くと、
「あちらの線の車内で車掌に支払ってください。」
と言う。解説すると塩尻駅は東京、甲府方面から松本、長野方面に向かう中央本線と、名古屋、木曽から長野方面に向かう中央西(さい)線が合流しているが、木曽からきて甲府方面にスイッチバックする電車はない。つまり、中央西線の洗馬駅から中央本線のみどり湖駅へは二駅だが塩尻で別路線に乗り換える必要がある。

ホームが違うので跨線橋を渡る。このとき塩尻駅改札口の前を通るのだから窓口で運賃を支払うべきであった。

こちらも秒単位まで正確に58分発甲府行が1番線に入ってきた。写真を撮ってすかさず乗った先頭車両から車掌さんのいる後方へ歩いて行こうと思ったが、けっこう揺れて危ない。おっとっと、と言っているうちに電車は減速してみどり湖駅に…。

最後尾の車両までホームを駆けようとするとご覧の状態。どうしたらいいんだ。

…取り残された。

読み取り機があるのでボクのPASMOをかざしてみたが、モニタには当然次のような表示。
「乗車駅情報がありません」
掲示板をじくりと詠むと連絡先の電話番号が書いてあった。ふう、助かった。
「あ、もしもし、えっと…」
「タダイマ、デンワ ガ タイヘン コミアッテ オリマスノデ…」
…スマホに表示された相手先名は「品川」とある。JR東日本全体から問い合わせの電話が集中しているのだろう。たぶん日が暮れるまでつながらない。運賃を支払えずにここまで困った人はなかなかいないだろう。だができる限りの努力はしたと思う。

不本意ながらとりあえず駅を出て自転車置き場で準備を始めた。この応急工具セットが担いでくるにはけっこう重かった。

スマホも地図画面にして装着。行き先もすべて登録してある。ここでもう一度JR東日本品川センターに電話したがやはりつながらない。もはや仕方なし。

いざ出発!!

いきなり試練の上り坂。全体として洗馬までずっと緩やかな下り坂のはずだが、最初に訪ねたい永井坂までは少し塩尻峠方面に戻らなければならない。