間もなくサイボーグ手術(笑)に行きます。
回りの患者さんの話を聞くと,医師や看護師の説明よりはずいぶんと痛そうです(;^_^A
なおみが忘れ物取りに行ってる間に,自撮りしようとしてたら,いきなり薬剤師さんが来ました。問診が終わってから撮ってくれました。ふんどし,はきごごち悪いね。
5月6日 16時半頃
なおみが母に送ったLINEの実況
「横向きになりたい,横向きになりたい」
「血圧計って採血するまで待ってくださいね~」
「早く,早くしてくれ~」
「はーい,親指を握ってくださーい」
「これからかよ?早くしてよ~」
「痛いよ。痛いよ」
「座薬を入れましたからね~」
看護師さんにわがまま言い放題です。
ちょっと待ったー!!わがまま?
よーく,実況を読み直してもらいたい。
「これからかよ?早くしてよ~」←ここである。
このニュアンスの解析にはボクのイケメン担当看護師Tクンについての説明が不可欠である。
あきらかにこの春採用の超新米,確かめた訳ではないがボクが初の担当患者だと思われる。それが証拠に本来担当の仕事であろう手続きの説明や問診,書類作りに先輩の美人看護師が付き添っている。付き添っているというか
「そこは違うでしょー。どうするんだっけ。」
とか
「さっき,言われたよねえ。何て言われたか思い出してー。」
実習かよ(^_^;)
ボクを知る人は分かると思うのだがボクはこの手の状態には寛大である。新米Tクンがさっき何て言われたか思い出すのを待つのもやぶさかでない。手術前の2日間,検温,血圧など担当看護師でありながら彼には美人の先輩が必ず一緒に来て,応答,測定値の入力方法を丁寧に指導していた。事故で運び込まれた人を除けば整形の手術患者の中ではおそらくいちばん若いボクが教材に選ばれたことは確実である。ナースステーションになおみが届けた高級菓子詰め合わせは全くムダになった(笑)菓子を食べたかどうかわからないが,ともかく手術室から帰ってきた担当患者のデータを取るのは彼の仕事だ。
一方ボクは,学部長が術後のレントゲン写真をなおみに見せながら何かしら説明している声と白衣が最初の記憶であるが自分が何者で二人が誰であるかは認識できなかった。自分が自分だと意識したのが,それから間なしなのか暫くしてなのかわからないが,最初は触覚。背中に甲羅のように大きく熱い何かを感じた。…い,痛い。
横に,横にしてくれー!!
おそらくそれが第一声。
「まず検温,血圧,採血!!」
美人教官の声と…額に脂汗を浮かべて右腕を取り緊張し過ぎて寄り目になっている新米Tの顔!!それが自意識を持って覚醒した聴覚と視覚が最初に脳にもたらした情報である。
当然だが新米Tの採血は失敗した。美人教官をふりあおいでいる。
「ム,ムリだ。横にしてくれー!!」
「まず,採血!!」
「教材にしないでくれー!!」
美女に押さえ付けられて動けないところで新米T二度目のチャレンジ…失敗。
「痛い!痛い!先に横にしてくれー!!実験台はやめてくれー!!まず横にしてくれー!!」
ふと右側には新米Tに変わって美人教官の白い顔。耳元で鋭い声。
「実験台にしてません。採血しますから親指を…」
ここで…
「これからかよ?早くしてよ~」
なのである。
このあとなおみがいつ帰ったのか記憶にない。ようやく横にされて眠りに落ちた。そして激痛の朝が来る。
ところで採血は美人先輩看護師の採血も失敗し,結局横になったあとで医師が呼ばれて行った。火の甲羅を背に仰向けで耐えた頑張りは報われなかった。
5/6 15時頃
金属棒2本 ボルト6本