OUR DAYS 2018年2018/12/27

夜遅く帰宅するとキッチンのテーブルの上でタローが跳ねていた。

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タローの毛から紡いだ毛糸を母が夜なべ(笑)して編んでくれた飾りだった。なおみが感激して涙を浮かべた。

母はここのところ急に編み物熱が再燃している。講師は四国のネッ友コロちゃんである。見本を宅急便でやり取りするというなんとも至れり尽くせりの指導である。太い毛糸で編んだ座布団をもう親しい人10人分くらい作っていた。それを見ていたなおみが大事に保管していた生前のタローの毛を見せて数日前に「何かできませんか」と頼んだものである。母は笹塚まで歩いて座布団に使っている毛糸の5倍の値段(笑)の青と白の毛糸を買ってきてボクらの知らぬ間にせっせと編んでくれた。

毛糸を紡いでくれたのは静岡のネッ友Joyママだ。何年前だったかタローがまだとても元気だった頃に声をかけてくれた。正直そのときは毛なんて部屋にも車にも洋服にもいっぱいだったのでそれほどありがたみを感じていなかった。今日の日のあることなど想像だにしなかった。タローはシャンプーのたびに子犬1頭分くらい毛が取れたのでそれを乾かして静岡に送ると,宝石の玉のように美しい毛糸玉が送られてきた。タローの匂いが微かにした。

母の編み物はお世辞にも上手とは言えない。縁が波打って平らにならない。それがホントに飾り毛をふりふり歩くタローの姿に重なる。

こうして色々な人の手によってタローは久しぶりにボクたちのもとに帰ってきた。

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