年末恒例の読み聞かせ。
今年は「風立ちぬ」
セリフはだいたい配役が決まっていて,独白の部分は交代で読む。
クライマックスでなおみの節子が
「あなたの髪に雪がついているの……」
というところの前後の独白はボクが読みたいと思うのだが,今年もこみあげてしまって声が出なくなり,それに気づいたなおみが代わって読んだ。
帰りの車でラジオの朗読の時間をやっていた。有島武郎の童話集だった。さすがにプロは上手だなと思って聞いていると最後は「火事とポチ」という作品だった。
「ボク」の家が火事になる。すぐに気づいた愛犬のポチが報せて回ったために家人が起き出し何とか離れが焼け残った。しかしポチは火事のあと行方不明になり3日後に大怪我をして物置の陰で見つかる。燃えている間も周りを駆けまわって警告し続けていたために焼け落ちた木材の下敷きになってしまったのだ。
車が家に着いてしまったがラジオを切ることができなかった。ポチは居留地の異人さんからもらった尻尾のふさふさした洋犬だったのだ。
手当もむなしくその夜ポチは死んでしまった。ボクたちは今日朗読で二度泣いた。