チェロの弦をまた切ってしまった。いちばん細い弦だがそれでも4000円近くする。
今度はなおみが調弦している最中のことなので,どうやら弦の張り方か調弦方法に問題がありそうだ。
バイオリンとは勝手が違う。ここはなおみが楽器ごとお店に持って行って教わろうということになった。
なおみはバイオリン修理の用や弦などのパーツをいつも最寄りのクロサワ楽器新宿店で達している。
チェロの修理を秋葉原店にしたのは車でアクセスし路上でボクが待ち易かったこともあるが,
なおみもチェロに関しては全くの素人なので気恥ずかしさもあったと思われる。
バイオリニストのはしくれなれば,さすがに行きつけの店で
「チェロの魂柱が倒れて独楽が外れちゃったんですけど…」
とは言いにくいものがあったろう。
かくて初めての店に哀れな姿のチェロを持ち込んだなおみは
「アラフィフになって唐突にチェロを始めた健気な初心者」
というオイシイ位置を獲得し,店の人にやさしく扱われることとなった。
中でもなおみが「ドイツ人っぽいおじさま」という外国人店員は弦楽器の担当らしく,
引き渡しのとき懇切丁寧に1時間ほど講釈しながらあれこれ教えてくれたそうだ。
想像図↑
さて買ったばかりの弦をまた切ってしまって楽器を持って買いに行った日,
ドイツ人っぽいおじさまが「オダイ ハ ケッコウデース」と言ったものである。
そして,
「ココガ ダイジ デースネ」
とまたまた手を取るようにして張り方や調弦のコツを教えてくれた。
もはやこのチェロを弾いているのはウルトラ初心者の夫だと言いそびれたのも無理はない。