土曜日の午前中は腰の病院だった。一日が長い。
人数のバランスから今年は少々仕事がキツイ。
そこへ来て体力がからっきしない。
終業時には二人ともくたくたになってしまう。
車が変わっていることに気づく子はほとんどいない。
「帰ったららんぽうでも行くか。」
らんぽうと言うのはウチから5分ほどのところにある居酒屋で深夜までやっている。
仕事がキツイと言っても実際にはメンタル面のことなのでいい気分転換になった。
翌日曜日。寝坊はしない。
新宿小田急デパートの催し物会場で開催中の北海道フェア。
休日とは言え朝のうちなのでまだ人出は少ない。
なおみのお目当てはこれ。白恋ソフトクリーム。
美幌の友人のブログで何度も紹介されているのを羨ましそうに見ていた。
なんとまだ列ができる前にゲットできた。
ボクの目的は腰の調子を見ながら電車ででかけることだ。
その場で立ち食べ。マジか…。
…さてこれは軽減税率対象や否や。
お菓子やお弁当の売り場には
「イートインコーナーでお召し上がりの方はお申し出ください。」
との表示。
イートインコーナーとは通路の端にある20人ほど座れるベンチのこと。
座れたらミラクルラッキーというべき雑踏のただ中。
もちろん,ボクたちは8%の税率で持ち帰る。
森のいかめしにウニいくら丼。
タローのいた11年間で北海道には5度行った。
これから果たして行く機会があるだろうか。
こちらなつぞらなクッキー。
物置の戸が外れたのを修繕する。
信じられないことに壁はもちろん戸そのものまでが亡き父の手作りである。
木枠に合板が張ってあり,金具の取っ手が取り付けてある。
明り取りのため奥の壁は波板になっていてビスの一本一本に穴が穿ってある。
外れた蝶番は戸にも柱にもぴたりと金属部分が収まる凹みが切ってある。
全くボクのアウトオブ技術たる水準である。
切れ込みはあきらめて,ずらした位置に直接蝶番を取り付けた。
波板の外れているところは錐で穴を開けて釘止めした。
夕方,キャンバスを張った。
今度こそは剥がさなくていい絵を描こう…張りたての白いキャンバスにいつも思う。
デパートには北海道フェアともうひとつクオリティの良い栗を買う目的があった。
ところが出かける寸前に母から小包で栗が届いた。
しらべ荘の庭の栗だと手紙にある。
いったいどうやって収穫したのだろう。
とまれ晩餐はなおみ得意の栗ご飯。
北海道フェアで買った「池田町民用ワイン」
…よく意味が分からないが990円だった。味も990円だった。
月曜も連休で朝からジムに行った。600メートル泳いだ。
8号のキャンバスを1枚下塗りした。
なおみはバイオリンを持ち帰って二日とも練習した。
夜はなおみがビーフシチューを煮た。
なんだかこうして書き並べると,とても充実した連休のように感じる。
がボクたちには物足りない。
ボクたちがしたいのはただタローをシャンプーして散歩してボール遊びする休日だ。
昼前に突然なおみが嗚咽し,やがてこらえきれずに声をあげてぎくぎくと泣いた。
定期的にタローが死んだときの顔を思い出すのだ。
ボクらの心が彷徨い戸惑う日々はまだ終わらない。