日曜の朝,寝ぼけながら新聞を読んでいると
「それ年間の優勝が決まったの?」
となおみがJ1横浜の記事を指す。
「え?」
「実は全然興味ないんだけどちょっとオモネッてみたの。」
と笑う。
それはゆうべ羽生選手敗れるの記事を読む彼女にボクが言った台詞だった。よっぽどその表現が可笑しかったらしい。
午前中,なおみが庭の落ち葉を掃いていた。思い出があちこちに落ちていてすぐに泣く。それを垣根越しにとなりのタエちゃんが見ていた。
「ねえ,シュウさん,なおみちゃんにあたしのぬいぐるみ一週間貸したげようか。大きいよ。」
借りた。大きかった。
午後,実家にご機嫌伺いに行くなおみを代々木上原の駅まで送って戻り車のドアを開けると香水のようないい匂いがする。
見ると向かいの教会の小さな植え込みにコギクがこぼれるように咲いていた。