何しろ休みが週1日しかない。何をして何を諦めるか悩ましい。
金曜日に教え子が遠く茨城の整形外科で野球ひじの手術を受けたので，お見舞いに行こうと意見が一致した。晴れていたら帰りにちょっと筑波山にでも寄ろうかと思った。
あいにくの天気になった。夜には雪の予報で重い雲が垂れ込む常磐道。病院はつくば市にある。インターを下りて，ショッピングモールにある大きな書店に行った。メジャーリーグ関連の雑誌でも届けようと思ったのである。ところがない。オフシーズンということもあるのだろうが，スポーツの棚はバスケとラグビーでいっぱいである。隔世の感がある。別の書店を地図で検索し，ようやく小一時間もかかって2019年総集編のような冊子を手に入れた。
病院に着いたのは昼前になってしまった。受付の人に，自動販売機でマスクを購入するよう言われて二箱買うと一箱が二枚入りだった。100円のことだからと気を取り直して病室を訪ねる。ナースセンターの方が気の毒そうな表情をした。
「つい先ほど退院されてお帰りになりました。」
マスクの使用時間は4分だった。まさか外科手術から3日目の朝に退院できるとは予想もしていないかった。呆然と佇む駐車場から霧に浮かぶ筑波山が見えた。せめてお昼においしいものでも食べようと思ったがあるのは東京にもあるチェーン店ばかり。仕方ないのでラーメン屋さんに入ると，ちょうど昼どきで笑っちゃうほど待たされた。
子どもの自宅に野球雑誌を届けに行ったら，帰りは都内の渋滞に巻き込まれた。連日の疲れがたまっていたなおみは途中から気分が悪くなってぐったりしてしまった。帰宅しても画架に向かう気力は残っていない。それでもなおみは暫時バイオリンの練習をした。
二人とも夜になってようやく体調が回復した。