3月22日/夜桜~国立劇場前
「タローに見せたかったね」
となおみは言う。…が,タローはたぶん桜は見ていなかった。
ただなおみの心を映してうきうきとスキップするようにこの花の下を歩いていた。
たれの結んだやら花に託した願いごと
3月28日/日本橋茅場町
さっき寒冷前線が通過して東京は急に寒くなった。 ぶるぶる。氷雨が降るかも。
3月29日/日本橋さくら通り
3月30日/横十間川
雪はやんでも真冬のような寒夜だ。 10分ほど歩いただけで二人とも手がかじかんでしまった。
4月1日/花筏
なおみがが硝子皿に桜の花を浮かべてタロー写真の前に飾った。
気づいたのはタローを知らない世代の9才の子。
「ねえこれどうしたの?」
「舗道を掃いているとき落ちてたのを集めたのよ」
彼女は走って行って花びらをひとひら拾ってきた。
「はい」
「ありがとう」
夜,桜の下で真っ裸の男女に遭遇した。
なーんちゃって(笑) エイプリルフール
千鳥ヶ淵公園の自由の群像と兜町の三美神。
4月2日/千鳥ヶ淵公園
ここはもはや完全な闇の中での手持ち撮影。
シャッター速度1/30
絞りf1.6
ISO8000
ピンはドレミと同じ距離にありそうな右手の枝先で取っている。
現像すると肉眼では全く見えなかった桜や肌の色が写っている。
半蔵門…タローを想う。タローと歩いた思い出か。それともタロー後の思い出か。