OUR DAYS 2020年2020/10/24

先週と今週と二度,東北道を加須まで往復した。

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ちょうど今なおみが読んでいる田山花袋の小説の舞台が行田で,主人公がときどき加須に行く。

だが,もちろん小説の舞台を訪ねて行ったわけではない。

理由は…

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これである(;^_^A

なおみがボクの代わりに子どもを送って行った帰りに細い路地で方向変換しようとして塀にぶつかった。

塀は無事だったがバンパーは凹んでずれてヘッドライトのカバーにも傷が入った。

なおみの名誉のために補足すると,ウチのオーリスは6速マニュアルミッションである。

ハイオク仕様のスポーティバージョンでクラッチは重く足回りは固い。

ある程度ツワモノでなければ運転すらできない。

この車で静かに東京下町の細い路地に入るのはかなりのテクニックを要する。

「どうしたらいいですか。」

と,S宮さんに電話した。ボクはこれまでこの人以外から車を買ったことがない。

修理工場もすべて彼の紹介で選ぶ。

「加須なんですけど大丈夫ですか。」

…というわけである。

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住宅街にあるその工場はどこにも看板が出ていなかった。

二度通り過ぎたところでご主人が表通りに走って出てきて案内してくれた。

奥の方に板金中のR34が見えた。その隣のクラシックなアメ車は1千万ではきかなそうだ。

それらが無造作にフィットや軽バンと並んでいる。

何やらマニアックな匂いがぷんぷんしている。

ボクたちは持参した菓子折りを手渡して傷を見てもらった。

S宮さんによれば看板を出していないのは一見の客を避けてのことらしい。

それでいて腰は異常に低い。予め部品代を調べていてくれた。

前照灯のレンズは10万円,バンパーは5万円弱とのこと。

レンズはあきらめてバンパーを替えてもらおうかと思った。

春にボクが逆側の下を削ってしまっていたからだ。

ところがどうやら彼は部品を取る気はもともとないらしい。

焙って敲いて磨いて直すつもりのようだ。

S宮さんから「ロープライス,ハイクオリティ」と厳命されていると言う。

もはや口を出さずに任せることにした。多少費用が掛かっても仕方ない。

代車を借りて東北道の帰り道,直接出勤するのでお弁当を調達に蓮田サービスエリアに寄った。

ところが待てど暮らせど買いに行ったなおみが帰ってこない。

ピンポンとLINEが鳴った。

「たいへんなものを見つけてしまった。」

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これである。

銀座のアンテナショップでは手に入らない限定ロイズを物色している。

全く反省の色はない。

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借りたスバルの軽ワゴンは実に快適だった。

天井は高く後部座席は広い。装備は至れり尽くせり,ウチの駐車場にスポッと入る。

もうこの車に替えてもいいかなと思うほどだったが意外と早く修理完了の連絡が来た。

「修理代は2万9千円です。」

「は?」

ロープライスにもほどがある。

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S宮さんに相談するとこどもが7人いるのでお菓子が喜ばれると教えてくれた。

年輪屋のフルサイズを買って快晴の東北道を再び加須まで行った。

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魔法を使ったのだろうか。バンパーは新品同様,レンズの傷も跡形もなかった。

帰り道,S宮さんと待ち合わせてランチすることになった。

また蓮田で弁当を買って首都高の川口パーキングの野外テラス席で食べた。

この親友と会うのは1年ぶりだということに気づいた。

いつものように他愛のない話をして小一時間で別れた。

別れ際に自分で売ったオーリスの走行距離やエンジンの調子を調べていた。

首都高に戻るとき本線を走る車に譲ってもらったのでちょっとアクセルを強く踏んだ。

軽ワゴンの10倍くらいのトルク感で軽やかに加速した。

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