連日2000人の新規感染者を出している東京,そのほとんどが23区内に集中している。
緊急事態宣言や白々しい都知事の呼びかけがあろうとなかろうとわざわざ人ごみに出かけるばかはいない。
さりとて二人でのチャリ活初めにどこに行こうかと考えて羽根木公園を選んだ。
ウチから4kmほどのところにある梅の名所である。…が如何せん梅の時期には1ヵ月ほども早い。
そこが狙い目である(笑)
咲いている梅の木は20本ほど,訪れる人もその木の数ほどしかいない。
バケツの水が凍っていた。
満開でもちらほらでもマクロ撮影すればほとんど変わらない。
閑散とした梅園で香りと鳥の声を追った。
防寒にぐるぐる着込んでいるのでかなりカッコ悪い。
…が,ベンチでおまんじゅうとコーヒーとしゃれこんでも寒くない。
公園の南側に下りて梅が丘駅に向かう。
斜面を埋め尽くす梅林が地名になっていることは想像に難くない。
駅の南口になおみの祖母が好きだった老舗の寿司屋がある。
予約ができないので店にはいつも行列がある。
ボクたちが利用するのは専らテイクアウト専用の売り場である。
ここも大人気でふだんなら長蛇の列を覚悟するところだが,
これも狙い通りまだ開店直後なのでなおみはすんなり店内に入って行った。
寿司のパックを崩れないようにそっとリュックに詰めてよい姿勢を保ちながら帰路に就く。
数年前に地下化された小田急線の跡地にお店やアパートが建っていた。
隔世の感あり。
実は梅が丘の美登里寿司まで来たのには訳がある。
母の友人御年92才のMさんが,母の不在を知っているのに年末年始に2度ウチを訪ねてくれた。
彼女は中村屋の工場に伝手があり肉まんやカレーを社販価格で買えるらしい。
それを冬期講習で忙しいボクたちに差し入れに来てくれたのだ。
夜,帰宅すると玄関のドアに肉まんの袋が下がっていたのでそれと知れた。
このあたりの古くからの住民なら美登里寿司はテイクアウトのトップブランドである。
なおみがパックの寿司や玉子焼きをどっさりMさんの家に届けた。
帰宅してボクたちもリッチな美登里寿司のランチをしていると,Mさんから感激の電話があった。
マンションの下で待っていたので顔を合わせていないボクにも直接お礼が言いたかったとのこと。
なんだかいい休日になった。
午後はだらだらして過ごした。
夕方にはまた,なおみの買い物運搬要因としてジャイアントで出動した。
夕飯になおみがコスモドリアを食べたいと言う。
コスモドリアとはロイヤルホストの人気メニューである。
世の中には酔狂な人が多い。
コスモドリアを自宅で再現してレシピを公開している人が大勢いた。
うろ覚えだった材料の参考になった。
悪いが天才シュウのコスモドリアがいちばん旨い。
たぶんオリジナルより旨い。
ホワイトソースを作るとき,干しシイタケと昆布で取った出汁をふんだんにつかった。
栗の甘露煮はラム酒に,鶏肉とエビはジンに30分ほどつけた。
味付けした出汁の余りに片栗粉をひいて冷やし,帆立刺しを一粒。
お正月に冷凍しておいた牡蠣はたっぷりとニンニクをつかって黄金焼きにした。
2晩に見たテレビ
「麒麟」と三谷幸喜の「Short cut」,それにお正月ドラマ「人生最高の贈りもの」
どれもこれも満足した。