渋谷区でCOVID19の累計感染者数が2%を超えた。50人にひとりである。
職場には3日に一度は生徒が濃厚接触者として自宅待機になっているという連絡が入る。
自分たちが感染していないことも職場でクラスターを出していないことも単に運がいいだけのこと。
東京は暮らしの隣りにコロナがいる。感染者が30人にひとりになる日も遠くないだろう。
去年,政府は海外からの人の流れを止める前にいきなり小中学校を休校にし,10万円と布マスクを無差別に配った。
そして Go to 何とかで第二波,第三波の感染拡大をもたらしつつ,ワクチンの調達は大幅に遅れた。
この1年,ここまで無能無策な政府というのが他の国にあったのだろうか。
黙って感染防止対策に協力してきたボクたち都民が今後感染すればそれはもはや「禍」ではない。「人災」である。
専門家の会議というのも信用できない。政府にとって都合の悪い学術会議会員の首が飛んだのは去年の夏のことだ。
町の実情とは関係なくオリンピックは開催されるのだろう。
ボクたちは毎日国立競技場の近くを通って出勤している。
もうすぐここに世界中から何万もの人たちがやってくる。1試合につき1万人の観客も訪れる。
さて,ボクたちの運が試される夏がくる。
昨日で緊急事態宣言が解けた。
ボクたちは午後4時頃を狙って駅前のラーメン屋さんで生ビールと餃子とタンメンを注文した。
実に1年半ぶりのことである。デルタ株によっておそらくまた来月には緊急事態宣言に戻るだろう。
ヤバいのはその帰り道。
遊歩道の鉄棒の前を通った。タローと来て逆上がりに挑戦した思い出話になる。
そのときなおみは上がらなかったがボクは楽に成功させた。
「今でもできる?」
「当たり前じゃん。見てろよ。」
振り上げた左足のふくらはぎを攣ると同時に両腕の肩と脇腹の筋肉ががくんと弛緩した。
「ヤバいよ,ヤバいよ。」
あまりの痛みのため,ボクはうわごとのようにそう叫びながらなおみの肩に抱えられて帰った。
奇跡的にも大事には至らなかった。
今日は夏至。立秋の頃までにはボクたちの運の量が測られることだろう。