わが社の定休日は日,月だが,この季節になると日曜日は全部補習で出勤となる。
如何せん,この年齢で共働きして一日の休みではキビシイ。
朝から半ば強引に油彩に手をつけた。今年最初だ。
気分だけは連休モードだが,乾燥させて続きは来週になる。
なおみは仕事のプレッシャーと連日のバイオリン練習で肩と腰が張り詰めてしまっている。
「今日は温泉ごっこをしよう。」
…と言う。ちょっと高いにごり湯の入浴剤を買ってきて,明るいうちから何度もお風呂に入るだけのごっこである。
これが彼女のコリにはとても効いたようだ。
ぐんかんハワイちんぼつといういささか節操のないジャンケンでどちらが先に湯から出るかを決めるのは結婚以来続いている慣例。
今日の温泉ごっこ最初の入浴で,ボクの正月以来の連勝記録が止まった。
残念である。さらに残念なことが起きた。
iPadを壊した。壊れたのではなく壊した。
電子ペンが滑りすぎるのでフィルムを張り替えようとした。
絵を描くので,ペーパーライクフィルムと言ってわざと抵抗を大きくするフィルムを使う。
一年ほど前にフィルムを購入した記録があるが消耗品である。
古いフィルムがなかなか剥がれない。
アップルボタンの隙間から爪楊枝を差し込んで引き上げると液晶がバリバリと割れた。
つまりフィルムは貼られていなかった。
キズ一つなかった液晶を自分で割ってしまったこともショック,新しいiPadの高価なことも大ショック。
だがもっとショックなことは,いつフィルムを剥がしたのか,それとも一年前にそもそも貼ったのかどうか…
それが全く記憶にないことだ。ずいぶん前から描きにくいとは思って困っていた。
フィルムが貼ってないのだから当たり前である。
絵にも仕事にも毎日フル活用している道具の状態に記憶がない。恐ろしい。