1月16日/ 六本木
1日しかない休日は忙しい。古い愛用の筆をリペアしようという企てである。三島のCさんにメールで詳しくアドバイスもらってUVレジンでコーティングすることにした。今朝はサンドペーパー作業まで。「足付け」と言うらしい。
午後は古いパネルの整理を始めた。若気の至り的懐かし作品を大量に処分した。
驚くのは自分の学生時代の水張り技術。 40年経ってもシワ一つなく,板張り(ボンドで貼る)してあるのかと思われるほどパネルと一体化している。 器具を使って剥がしてみると,まるでプラ板のように外れるので確かに水張りである。
サントリーホールのコンサートに出かけた。コロナで3年半ぶりのこと。
腰痛を心配したが,往復4列車とも奇跡的に座ることができた。調子に乗って六本木を散歩したりした。用もないのに歩くなどということはそれこそ10年ぶりである。
席は抽選だったけど,前から9列目。見上げる位置からハンガリー国立フィルを聴いた。
小林さんは82才,驚くほどパワフルで楽しい人柄だった。途中,ハンガリーフィルの第一バイオリンの席が一つずつ後ろにずれて,指揮台も右に移動。空いた中央のスペースに千住さんが登場した。所作動作のすべてが可愛らしいが還暦を過ぎたそうだ。相変わらず,サビのところですら素人にも分かるミスタッチをするが動じない。途中でアンコールを受けてアメージンググレイスを独奏した。フラジオがホールの天井をふるわせるようなストラディバリの音に痺れた。
二人に共通するのはとても周りを気遣い控え目で礼儀正しいことだ。それは決して卑屈な感じではなく,日本人はこういう人種であると胸を張りたいほどのふるまいであった。小林さんは演奏の前に演者三方に向かって深々とお辞儀をしてから指揮棒を上げる。千住さんは時間をかえぬよう花道を小走りする。素敵だった。
1月18日/冬のオペラグラスで
ハンガリー国立オケ主任チェリストの技を9列目の席からオペラグラスでガン見して来たんだけど,だからと言って自分の腕が上がるわけもなし(;^_^A
厳しい現実を思い知る午後。
1月21日/碧い午後
今日はイリタマゴの練習日。コピー曲を4度演奏した。
終わるたびに反省点を口にしたくなるが,それぞれ自分のことしか考えていないのでかみ合わない。わかっているのでみんな無口である(笑)
莉々は大学帰りに寄っただけ。
みなさん,おつかれ。でも4回も絶唱するとヴォーカルのボクがいちばんくたびれる。
1月22日/お知らせ
教室から次月の予定と請求書に絵と短いエッセイを添えてご家庭に送付してきたお知らせが最終回となりました。創業33年,実に369回書き続けたことになります。毎月送付が近づくと執筆を催促するのはなおみの役割で,ボクがみるみる不機嫌になるために何度か泣かせたことすらありました。
1月24日/歌のレッスン
最初なおみには無謀だと止められた。無謀と言うより「失礼」ではないかと(笑)
twitterで知り合った親友のピアニストkeikoさんのご主人は二期会のテノール歌手。
雲の上のプロにレッスンをお願いして実現した。
付き添いのなおみがあまりに熱心に話を聞くのでプロも苦笑。
イリタマゴのリードボーカルとして,発声を何とかしたいという切実な願い。
ご主人もさることながら,ピアニストkeikoさんはもっと面白い魅力的な人だった。