23/ジャッカ・ドフニ

Aug, 2009

民宿ランプの周辺の地名を大曲という。網走川がコの字型に大きく進路を変えているからだ。西端は500mほどの長方形をした州で,静かな公営団地になっている。その南隅に建っているのがジャッカ・ドフニだ。

先住北方民族ウイルタの展示資料館であるが,ボクたちが2年前に続いてここを再訪することになったのは,ひとえにそのタイトな開館時間によるもので,詳しくはこちらをご参照頂きたい。

休館日より開館日を記すべきだとドレミが主張するのももっともである。かくして今回,網走滞在を土日に合わせて訪ねてきたのである。

ところが残念なことに,ウイルタ最後の末裔である館長の北川アイ子さんはすでに鬼籍の人となられていた。館内にあった遺影の説明によれば,亡くなったのはボクたちが休館日に訪ねた年の暮れのことだった。

これで日本に残るウイルタの確かな生の証しは,この資料館だけになってしまった。ジャッカ・ドフニ…直訳すると「それらのある家」という意味だそうだ。

 

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