ドレミの旅行記西遊記07/浜松〜東京

2002年3月,NYCに留学しているドレミの帰国前,最後のひとり旅もいよいよ帰路に.

A香とのメールで綴る写生旅行記ラスト.

◆3月9,10日◆

03/09/20:30件名「帰り道」

は,高速で一気p(^-^)qA香は,遊んでるー?

03/09/20:31件名「RE:」

遊んでないよ!今バレエの帰り!!

03/09/20:53件名「バレエと言えば」

足はもういいの?

03/09/20:59件名「RE:」

なんか,なおんないから頑張ってる(^-^)発表会の練習始まっちゃったから休めないし(^^;先生今日帰ってくんの!?

03/09/21:01件名「明日中には」

帰るつもり

03/09/21:18件名「RE:」

もう,帰るだけ??どっかに寄っていかないの!?

03/09/21:22件名「キャンバス」

全部使ったーp(^-^)q体力残ってれば,浜松で砂丘の夜明けを撮影しようかなー.

03/09/21:26件名「RE:」

そっかぁー!浜松は昔キャンプ行ったコトあるよ!ウナギパイだよね(^-^)

03/09/21:37件名「その通り」

鰻の養殖,楽器,オートバイ.あした,ドレミ先生の誕生日だよ.

03/09/21:40件名「RE:」

ほんとー!!実は,先生に携帯変えたこと言ってないの!メール届く!?

03/09/22:15件名「ニューヨークのアドレス」

****今,関が原

03/09/23:35件名「RE:」

よかった!0:00になったら誕生日おめでとう♪メール送るよ(^-^)今,関が原かぁー!関が原の戦いはこんなとこで起きたんだね☆

03/10/0:02件名「RE:」

今ドレミ先生にメール送ったー?(^o^)/ダッシュで打って0:00に送れたけど急ぎすぎてちょっと日本語変だったかもー(;o;)

03/10/0:05件名「あははは(^^;」

残念.向こうはまだ9日のお昼(^^;ちなみにもう関が原過ぎた.さすがに高速は早い!

03/10/0:08件名「RE:」

いいんだよー(^^;こっちは10日の0:00ってかいといたからさー(^^;でも,日本時間でいわれても(^^;って感じだよねー (^_^;A失敗したなぁー.

03/10/0:09件名「ま,」

東京で生まれたんだし,きっと受けてるよ.

03/10/0:11件名「RE:」

ショックー (T_T)ほんとは時差のことなんて考えないで打って」たんだけどねー(^^;

03/10/0:21件名「ごめんごめん」

ありがとう.きっと喜ぶよ.チェックするのは向こうの夜だろうし.

03/10/0:22件名「RE:」

かなー?それだといいんだけどねー♪今日はどこで寝るの?

03/10/8:31件名「浜松の砂丘」

で寝てて,風紋撮った.今,高速に戻って朝食バイキング.賞品忘れてたから,うなぎパイね♪

03/10/9:19件名「RE:」

うん!やったー!砂丘って砂の上で寝たの?

03/10/9:24件名「そうそう♪」

朝起きたら首まで砂に埋まってた(^^;って,な,わけないだろー!凍死するよー.今,富士川.富士山キレイだよー.

03/10/9:27件名「RE:」

え?場所の名前?今地図帳ないからわかんない(;_;)でも,富士山の近くかぁー♪今日は晴れてるからキレイだよね!

03/10/9:31件名「富士川」

日本三大急流のひとつ.河口の富士市は製紙パルプ工業.

03/10/9:32件名「静岡県?」

製紙パルプってやったようなきがするけどー (^_^;A

03/10/9:34件名「正解p(^-^)q」

よし,よし,いい子p(^-^)q

03/10/9:38件名「\(^o^)/」

静岡県かぁー!いつこっちにかえってくるの?

03/10/10:02件名「沼津」

また友だちの家で仮眠させてもらって,今晩遅く帰る.

03/10/10:03件名「RE:」

そっかぁー!長い?旅ももうすぐおわりだねー♪

A香のこと

A香はおとなしくて目立たない生徒でした.いつだったか友だちのカンニングのことで詰問したとき,涙をぽろぽろこぼしながらもその友だちをかばってひとこともしゃべらなかったことがありました.気の強い子だなあという印象を持っていました.

1年前,ドレミを成田に見送った帰りの高速で,ケータイにメールが着信したのです.

「shu先生,さびしいでしょー.元気出さなきゃ.」

そのときは,

「高校入試が終わってケータイ買ってもらったけど,まだボクくらいしかメール送る相手がいないんだろうな.」

と苦笑したものでした.

5月に東北をあてどなく写生旅行したときのことです.一人旅に慣れてきてはいましたが,用意した8枚のキャンバスが終わる頃には,かなり寂しくなっての帰路,ときどきNYCからメールが届くだけだったケータイに電話がかかりました.

「shu先生,元気ー?わたしね.数学のテスト,クラスで3番だったよ!すごいでしょ.先生のおかげだよ.」

これはさすがに心に染みました.

「で,でかした!」

こうして彼女はドレミをNYCに訪ねた唯一の子どもになったのです.それからも

「先生,千と千尋見てないんだー.カップルばっかりだから行けないんでしょ.仕方ない.私が一緒に行ったげよう.」

などと,超能力があるのかと思われるくらいの絶妙なタイミングで連絡がきたりします.予想通り最後の一人旅に出る前日にもメールが届き,返信合戦しているうちに旅行記ができてしまいました.

なお,彼女のメールにあったさまざまな顔文字は再現が難しいので,一般的な顔文字に置き換えています.

旅行記西遊記07/浜松〜東京因島〜広島