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タローは眠っているようにしか見えませんでした。手入れの行き届いた毛艶はうっとりするほどに美しい。
とうとうどこからも体液を流しませんでした。 いったいどこまで手のかからない犬なんだろう。
ただ一度だけ死ぬときに小さなフンをもらしていたと,なおみが泣き腫らした顔で言いました。
まるでまだたなごころにそのフンを乗せているかのようにうっとりと形を示しました。
体調を崩して以来,なおみは毎日フンの固さや色に一喜一憂していました。
タローが最後にしたフンは,なおみが待ちに待っていた健康で,固い,ジェリービーンズ形のそれだったのです。