「タロー!!ほーろーよ」
と,いいながらボクの首に抱きつきました。ボクは「ほーろー」より広場でフェッチの方がうれしいんだけど,二人があんまりうきうきしてるので,つい尻尾をぶんぶんふってしまいました。「ほーろー」って何だろうと思いながら車に乗ると,すぐに眠くなって寝てしまいました。
30日深夜,タローを連れて初めての長旅は仕事が長引いて1時ごろ出発になってしまった。目指すは最後の清流四万十川。
名神高速で夜が明けて仮眠した。
夜中に山の中や海の近くで何度かおしっこに連れ出してもらったけれど,眠かったのでよく覚えてません。車の中ではずっとパパとママがおしゃべりしていたので,ボクは安心してぐっすり寝ていました。目が覚めると明るくなっています。くんくんくんくん…。これはふだん西風にのってくる匂いだ。ずいぶん遠くに来たんだなぁ。
車泊の朝はお手のもの。交代で歯磨きにいったり,寝袋巻いたり,さっさかさー。
きょうはwebで親しくしている木津の人が
「京都を通るなら,ちょうど満開ですからぜひ。」
と,自宅近くの枝垂桜を教えてくれたので,まず京都南インターを出て南下した。
友人とはJR玉水駅で落ち合って案内してもらった。ふだん,メールのやりとりなどしているので,初めて会ってもほとんど違和感がない。旅先で気心の知れた地元の人といきなり会えるのが,インターネットのすごいところ。
井出町の枝垂桜は盆地を見渡せる丘の斜面に数本そびえていた。有名な京都円山公園や八坂神社の桜はここから枝分けしたとか。帰宅してから検索したが諸説あってよくわからない。とにかく付近の枝垂桜の主のような存在らしい。
桜のある地蔵禅院は「山背(やましろ)古道」という古代のメイン街道の中間点にあたるが,今はまことにのんびりした風景の中にあって,土曜だというのに人出も少ない。
「シュウさん好みの場所でしょう♪」
と,友人。…よ,読まれている(^^ゞ
ゆっくりとおしゃべりなどしながら歩いていると,参道の中腹には小野小町の墓があった。
駅でやさしいおじさんに会いました。大型犬は苦手だと言ってたけど,ボクのねろねろ攻撃でいっぺんに仲良しになりました。桜の近くで朝ごはんを食べたあと,おじさんはボクを木津川のひろーい川原に連れていってくれました。わぉーん♪
地蔵院から加茂町の浄瑠璃寺に向かう途中,
「ちょっと面白いものが残ってるので見ていきますか?」
と,寄ったのがここ。
何だと思いますか?
実は知る人ぞ知る,1898(明治31)年から1907年までたった9年間だけ加茂町と大仏の間を走っていた通称大仏鉄道の遺構。ほら,これは昔の鉄橋です。のどかな田んぼのあぜ道をたどって巡るのはボクとタローにはなによりのコースだ。
浄瑠璃寺の近くでは,タローも連れて食べられるおそば屋さんを下見してくれてあった。
美味♪
午後は,国宝の三重塔がある浄瑠璃寺も魅力だったが,タローも楽しめる当尾の石仏めぐりを選んでまた歩いた。写真の場所は最も険しい谷を下りたところにある。
夕方,友人を木津の駅に送り,東京での再会を約束して別れた。
ぅぉおーん♪だっしゅ!じゃんぷ!やったねー♪長い時間,車でがまんしてると,たいていこういうところに来られるんです。ボク知ってるんです。あー楽しいなー。
あれ?なんだかお腹がかゆいぞ。かきかき。かきかきかき。ママー,お腹かゆい。
木津から大阪に向かう国道を走っているとき,ママが異変に気づいた。
「きゃぁああああああああああ!!!!ぎぇえっえっ(絶句)」
「な,なんだなんだ。」
タローの毛に直径2ミリほどの白茶色の物体が点々と…。 マダニだ! 山のけもの道を走ったときか,畑のわらに寝そべったときにたかられたようだ。二人とも見るのは初めてかもしれない。ママが果敢にも取り除こうと立ち向かう。さすが母親。
「ひょ,ひょえーー!!捕ったー!どうするどうする?!」
「どうするってつぶさないと。」
「や,やってー!!」
「ムリだよぉ」
ボクもこわいので運転が忙しいふりをする。
ぷちぃ!
「ぎょええええ!!!えい!」
ぷち!
「ひええええええ!!」
ひととおり目につく敵を倒したところで,吹田に住むweb友きみちゃんに電話して,愛犬光彦クンのお医者さんを紹介してもらった。住所をたよりにたどり着くと,きみちゃんが電話を入れてくれてたので,院長先生が診察の準備をして待っていた。
処方してもらったフロントラインを駐車場で早速滴下する。シートカバーもマットも広げて点検し,念のため予備と交換した。
これで一安心。
ふう。びっくりしたなぁ。でも,ボクはびょういん大好きです。
きみちゃんとプチオフ。
きみちゃんはいちばん長いweb友で,お互いチャンスを見つけてはよく会っている。ご夫婦とも奈良の人で,あんまり大阪人っぽくない。
タローと光彦クンは今回が初対面だった。
きみちゃんが持たせてくれた「ニンジンケーキ」にほっぺた落ちた。
大阪に来たらぜったい食べてみようと思っていた「551」のブタマン。きみだん(きみちゃんのご主人)に聞いたら
「この近くだと新大阪駅まで行かないと…」
と,教えてくれた。もちろん,渋滞に負けず,新大阪駅へ買いに行った。
渋滞の中で見かけたたこ焼屋さん,その名も「あほや」。
どうしても気になったので,ブタマンをかじりながら引き返して買ってみた。こてこて…って言うんでしょうか(^^ゞさすが大阪の味。
ブタマンとたこ焼でおなかいっぱい,夕飯になってしまったボクたち。
「ま,いっか。大阪の味も十分堪能したし♪」
と,大阪の人が聞いたら怒りそうな結論に達し,近くの駅前にあったスーパー銭湯で汗を流した。
給油して吹田インターから阪神高速に乗ると,西宮付近で前が見えないほどの土砂降りになった。稲妻が走ってときどき昼のように明るくなる。走れるだけ走ってあしたは四国に入る予定。
長い一日だったので,お風呂の駐車場でごはんをもらったら,ボクはぐっすり寝てしまいました。雷?へー,知らなかったー。