1日朝,霧の淡路島SA。
顔を洗って着替える頃には,霧も上がり始め,明るくなってきた。午前中のお天気は大丈夫そうだ。
きょうはエイプリルフール。スペシャルいたずらを考えているのだ。徳島には母のHPで親しくしているコロちゃんが住んでいる。突然電話して
「実は近くに来ています。」
「えー!!??」
「なーんちゃって,エイプリルフールでした。」
「なーんだ,びっくり。」
「も,いっかいなーんちゃって。ホントはやっぱり近くにいます。今から会いに行きますよー。」
「えー!!??二度びっくりー!」
…という企み。うっしっしー♪楽しみだなー。さあ,電話するぞー。
「もしもしー♪」
「あーら,シュウさん,もう近くにいるの?」
「へ?なんでご存知なんですか?」
「お母さんからメールあったよー。」
あ,おふくろ,しょーがないなぁ,もう。
「これから町内会のお仕事終われば時間あるから,徳島道のパーキングで待ち合わせましょう。」
「あ(^^ゞはいはい。突然にすみません。」
わわわ,急がないと。
タロー,早く,朝ごはん食べて。
そんなわけで,やってきました,徳島道阿波PA。20分も早く着いたのに,もうコロちゃんは待っていてくれた。
「はじめましてー♪」
「
コロちゃんのご主人もお仕事で2時間しか寝ていないのにいっしょに会いにきてくださった。
「近くに土柱という名所があります。時間がおありならご案内しましょう。」
「放浪の旅ですから,時間は無限にあります(^^ゞ」
PAの外に停めてあった車にタローと三人乗せてもらって「阿波の土柱」へ。
その威容を見たとたん,なおみもボクもアリゾナからソルトレークに向かう途中で寄った「レッドキャニオン」を連想した。それもそのはず,ご主人によれば,阿波の土柱はレッドキャニオンを含むユタ州のブライスキャニオンと並んで,世界三大土柱に数えられているという。
↑阿波の土柱とユタ州のレッドキャニオン(1999年春)
国の天然記念物に指定されているのに,柵もロープもない。春休みの日曜なのに人もほとんどいない。…またまた天国!!タローGO!!
うっひゃー(^^ゞいいんでしょうか。犬が天然記念物に登って行きます。か,飼い主は…,あー!!けしかけてるぅー!!
ずずずずずーん♪これ以上はムリだよぉー。垂直なんだもん。
ハイキングコースを通って土柱の上に登る。柵や看板がない無造作さがまた心地よい。
土柱の馬の背。けっこうせまい。
いまだに高いところに立つとヘンシンしたくなるボク。小さい頃からいつか一度くらいホントにライダーになれるかもしれないと思っている。
撮影=コロちゃん。
頂上。
とてもこれ以上は乗り出せない。
ご主人が珍しい植物を次々に教えてくれるが,ガケの下だけに撮影は命ガケ。
こわごわ撮っていたら背中の筋肉つった。
おりこうに待ってるタロー
駐車場近くのお店で土柱うどんをごちそうになった。おなかがすいていて夢中で食べてしまって写真撮り忘れた。これはおいなりさん。四国のうどん屋さんはどこでもセルフサービスのおいなりが置いてある。
またまた山歩き♪ほーろーってけっこう面白いです。ボク,ごはんとフェッチの次にほーろーが好きになりました。
コロちゃんたちと別れ,徳島道を西に走り始めて最初のサービスエリアがその名も「吉野川」。ハイキングコースを下ってみると,ちょうど川に桜が満開だ。
「ここでお花見しましょう。」
さっそく,車に戻ってお菓子と缶コーヒー,それにきみちゃんにもらったにんじんケーキの残りとコロちゃんがくれた山盛りいちごパックを持って川に下りた。
「眺めも最高。この岩の上がいいわ。タロー,川には下りられないわよ。ガケだからね。」
…と,思いきや,リードを解いたとたんに岩をぴょんぴょんと飛んで川にたどりつくタロー。
だばばばばー♪ 四国三郎吉野川でびゅー♪
怪我をしないかとはらはらするなおみをよそに,信じられない運動能力で岩の崖を飛び回り,水に飛び込んではまた駆け回る,ハイパースイッチオンになってしまったタロー。
挙句におやつを広げたレジャーシートにごろごろごろー!!
泥水ぶるぶるぶるぶるー!! ひょえー!!
カメラバッグまで大雨に降られたようにどろどろずぶ濡れだー!! 立ったまま,ケーキと苺をほおばり,わずか15分ほどでお花見は終了。ほうほうのていで退散した。
エリアに戻って,濡れたものを乾かしたり,タローを洗ったりしているうちに,今度は本当にぽつぽつと雨が降り出した。運転をなおみに替わってもらったら,強行軍の疲れでぐっすりと寝てしまった。
それを気遣ったなおみはムリをして,雨の中2時間近く運転を続け,高知道を半分ほど南下したところで力尽きた。パーキングエリアに入るなり,運転席のシートを倒して彼女が眠りに落ちるのをボクは夢うつつで知っていたが,起き上がることができなかった。
小一時間ほどして目覚めると雨は一時的にあがっていた。タローをおしっこに連れて出て,何気なく振り返った。薄暗くなっていたので,すぐに車のポジションライトが点灯していることに気づいた。
しまった!!
雨だったのでポジションをつけて走っていたのだろう。エンジンを切ってキーを抜かないまま寝てしまったので,警告音も鳴らなかったのだ。車に戻る前にセルを回す音がした。遅れて目を覚ましたママもミスに気づいたのだろう。エンジンは何事もなく回って事なきを得たが,念のため,高知の手前の南国インターを出て,バイパスにホームセンターを見つけ,傘をさしながらバッテリー液を補充するはめになった。
「あたし,やってる間にちょっと買い物してくるー♪」
相変わらず,主犯者としての自覚は全くないなおみである。ボクは人気のない駐車場で,車内で退屈そうにしているタローを話し相手にしながら,こつこつと8つに分かれた注入口ひとつひとつの液量を調整していった。
imodeで高知市のはずれの町に銭湯を見つけてはいった。車にタローを待たせているので,いつにもまして二人とも素早い入浴になる。客はほとんどいないので,
「湯につかってるぞー。あと,ひげそりしたら出るー。」
「こっちは今,つかったとこー」
などと,声を掛け合う。
「今夜はラーメンに餃子がいいなぁ。」
「賛成!!出るよー」
ざばー。
海沿いの国道でスーパーに寄り,寝酒の缶ビールとおつまみ用のサラダを買ってクーラーボックスにつめた。タローにもごはんをやってから,峠でラーメン屋の灯りを見つけた。ところが,餃子がメニューにない。代わりに味噌煮込みおでんやイカフライが高知のスタンダードらしい。
雨は夜半にはあがりそうだ。夜の国道56号(中村街道)はほとんど行き交う車もなくなってきたが,何度も通って慣れている道だ。定宿にしている海沿いの道の駅までもうひとっ走り。
きょうもずんずん山に登って,川でも泳ぎました。ボクはもっともっと遊びたかったけど,夕方からは車の外に出るとなぜか足に力が入りません。もしかしたら「つかれる」ってゆうのがこれなんでしょうか。